2019.6.13
, EurekAlert より:
毎朝の習慣を少し変えることが、いかに脳の健康に良いかが示された。朝の散歩が脳の実行機能を高めることがわかったほか、運動の内容と特定の認知スキル向上との関係も明らかに。西オーストラリア大学などが中高年を対象に行った研究。
この研究では、55-80歳の男女65人を対象として以下の3群に分け、認知機能や集中力、意思決定、実行力、視覚的学習やワーキングメモリーについてのテストを4回行ったほか、血清中のBDNF(脳由来神経栄養因子)を6回測定した。
@座位群:8時間座り続ける A歩行群:朝、まず1時間座位で過ごした後、30分間トレッドミルで中強度のウォーキングをし、その後6.5時間は座位とする。 B歩行+ブレイク群:中強度のウォーキングを行うまでは歩行群と同じだが、その後の座位の6.5時間は30分ごとに3分間のブレイクタイムを設け、低強度のウォーキングを行う。
テストの結果を座位群と比較したとこと、ワーキングメモリーは歩行+ブレイク群が高いスコアをおさめたほか、実行機能で歩行群が高いスコアを出したことがわかった。また、BDNFは歩行群、歩行+ブレイク群ともに8時間継続して高めの値を維持していたという。
研究者であるウィラー氏によると、最良の認知機能を維持するためには、一日中座ったままというのは避けるべきであること、そしてきびきび歩くなどの中強度の運動が、微日々の脳の健康維持を促進するであろうことが、今回の研究の重要点であるとのことだ。
またこの研究では、認知のあらゆる側面が、与えられた運動量に同じように反応するわけではないこと、そして一日の活動パターンを巧みに操作することで、特定の種類の認知スキルを最適化することが可能かもしれないことも明らかにされた。たとえば、記憶や学習といった特定の認知スキルを高めるため、それに特化した運動をする、といったようなことだという。
出典は『英国スポーツ医学雑誌』。 (論文要旨)
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