2019.6.11
, EurekAlert より: 
毎日1カップほどのブルーベリーを食べたところ、過体重・肥満者の循環器疾患の発症リスクが下がったという、英国イーストアングリア大学などの共同研究報告。
メタボリックシンドロームは、心臓病や脳卒中、糖尿病のリスクを有意に増加する。これに対し、食品の選択を変えるなどの生活習慣の改善がリスク低下の手助けとなることが広く知られている。
これまでの研究では、日常的にブルーベリーを食べる人では、2型糖尿病や循環器疾患を発症するリスクが低かったことが明らかになっている。
研究チームは、ブルーベリーを食べることが、西洋の3人に1人が該当するメタボリックシンドロームに与える影響について調査した。メタボリックシンドロームの定義は、高血圧、高血糖、腹部肥満、低HDLコレステロール血症、高中性脂肪の少なくとも3つ以上に該当する者とした。
研究では、メタボリックシンドロームに該当する50-75歳で、過体重または肥満の138人を対象に、毎日ブルーベリーを食べてもらい、効果を検討した。介入期間は6カ月であった。ブルーベリーはフリーズドライ品とし、毎日の摂取量によって2群に分けた。一方は生の果実150g相当、もう一方は75g相当のフリーズドライ品とした。対照群には、人工的に着色し香料を添加した紫色の代替品が与えられた。
研究の結果、毎日150g相当を食べた群でのみ効果が見られ、最大15%循環器疾患の発症リスクが低下した。
この理由には、アントシアニンと呼ばれる果物の赤色などの成分であるフラボノイドの一種を多く含むためであると、イーストアングリア大学のエディン・キャシディ教授は述べている。
「1日1カップのブルーベリーで心血管の健康度を改善することができるようです。しかし予想に反し、1/2カップでは元々高リスクの人には効果がないことがわかりました。一般的な人に比べて肥満の人は、ブルーベリーをより多く必要とするようです」などと共同研究主任であるピーター・カーティス教授は、述べている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
|