2019.4.17
, EurekAlert より:
母乳育児を行った母親は、母乳育児を行わなかった母親より、心疾患による死亡リスクが低かった、という豪州シドニー大学からの研究報告。
研究チームは、豪州の10万人の母親を対象とした大規模追跡研究の2006-2009年のデータを用いて検討した。社会経済的要因や生活習慣のリスク要因を調整し、心疾患既往者は解析から除外した。
解析の結果、母乳育児を行った母親は、母乳育児を行わなかった母親より心疾患の発症リスクが14%少なく、全死亡リスクは34%少なかった。母乳育児を平均12カ月行った女性では、心疾患の発症リスクは15%少なく、死亡リスクでは30-40%少なかった。
「我々の研究は、母乳育児が、母親の心疾患の予防に良いことを明らかにした。これまでに、体重や食事といった生活習慣が心疾患のリスクを下げることは明らかになっていた。そこで、我々は女性特有の生活行動に着目し、本研究を行った」と筆頭研究者のビン・ヌギェン医師は述べている。
現時点で明確なメカニズムは特定できていないが、理論の1つとして、毎日約500kcalを授乳することが心疾患リスクを下げる代謝と関連していることが考えられると、主任研究者のメロディ・ディング准教授は述べている。
出典は『米国心臓学会雑誌』。 (論文要旨)
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