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[高齢者]  脳の健康に「低たんぱく高炭水化物」食が有効!?
2018.11.27 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

低たんぱく質・高炭水化物の食事が長寿と全身の健康、とくに脳の健康的な加齢のカギになるという。豪州シドニー大学の動物実験による報告。この効果は低カロリー食に匹敵するという。

この論文の筆頭著者のデヴィン・ワール博士候補生は「現在のところ、認知症に有効な薬はありません。症状の進行を遅くすることはできますが、止めることはできないのです。しかし、脳の加齢に影響のある食生活が明らかになり始めていることにはワクワクします」などとしている。

今回の研究では、低たんぱく質・高炭水化物食の自由(無制限)摂取が、カロリー制限と同様に脳への保護効果を持つことを初めて示した。カロリー制限食の長寿効果はよく知られているものの、現代の人間が実践し続けるのは難しいため、この最新の結果は朗報となるかもしれない。

「脳の健康状態を改善し、(ネズミなどの)げっ歯類の神経変性疾患の発症を遅らせる最も強力な食事法として『カロリー制限』を挙げている質の高い研究は100年近く前からあります。しかし、食べ物が非常に自由に手に入る西洋諸国では、大部分の人がカロリー制限に苦労しています。カロリーを厳格に制限したときにみられる、記憶に関与する脳の領域において、同様の遺伝子変化を再現することができた、ということは非常に有望です」とワール博士。

低たんぱく質・高炭水化物食は決して新しい流行ではない。共著者のルクール教授は、日本の沖縄や地中海沿岸には、このような食文化が古くからあるとしている。「沖縄の伝統的な食事は、たんぱく質エネルギー比が9%程度で、私たちの研究と同じレベルです。そしてたんぱく源は脂肪分の少ない魚や大豆・植物であり、牛肉は非常に少量です。興味深いことに、炭水化物の主要な供給源のひとつにはサツマイモがあります」

今回の実験では、食事と脳の関係を評価するために、学習と記憶を担う脳の領域・海馬に注目した。海馬は、アルツハイマーのような神経変性疾患で最初に悪化する部分であるためだ。結果、低たんぱく質・高炭水化物食のマウスは海馬の健康を促進する様子がみられたほか、いくつかの評価項目において低カロリー食よりもはるかに良い結果になったものもあったという。

出典は『細胞レポート』。 (論文要旨)      
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