2018.9.26
, EurekAlert より:
閉経後女性において、母乳育児歴と脳卒中リスクは関連があるようだ、という米国カンザス大学等からの報告。
先行研究では、母乳育児と脳卒中との関連性、そして関連性が人種や民族によって異なるかどうかについての研究はほとんどなかったという。
今回の研究では、女性の健康イニシアチブ観察研究(1993年から1998年の間、募集された閉経後の女性の医療イベントや健康的習慣をフォローアップしている大規模な全国調査)において、対象者80,191名のデータを分析した。分析中の女性は、1人以上の子供を出産し、58%は授乳経験があった。これらの女性のうち、51%が、1〜6ヶ月、22%が7〜12ヶ月間、27%は13ヶ月以上、母乳育児をした。募集時の平均年齢は、63.7歳、フォローアップ期間は12.6歳であった。
結果は、変更不可能な脳卒中リスク因子(年齢、家族歴等)で調整後、母乳育児経験のない女性と比し、母乳育児経験がある女性では、脳卒中リスクが23%低かったという。この関連は、非ヒスパニック系黒人女性で最も強かった。さらに、比較的短い期間(1〜6ヶ月)での母乳育児でも、脳卒中リスクが19%低下したという。
「授乳は、脳卒中に対して、潜在的に保護作用を有する1つの要因に過ぎない。他には、適度な運動、健康的な食品、喫煙習慣なし、血圧、コレステロール、血糖値を正常範囲内に保つために必要に応じた治療に努めるなどが挙げられる」とジェイコブソン氏は述べている。
出典は『米国心臓学会雑誌』。 (論文要旨)
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