2018.5.10
, EurekAlert より:
ナツメグ(ニクズクの種子)は、芳香性健胃薬として伝統的な漢方で使われてきた生薬の一種だが、肝臓にも効果がありそうだ、という中国科学アカデミー昆明植物研究所からの報告。
ナツメグはスパイスの一種として世界の年間消費量は9千トンに上るという。インドネシアに多く自生し、喘息、リューマチ、歯痛、感染症などの治療に用いられる。脂質異常症、高血糖、心筋損傷、肝毒性などにも有効であることが研究的には知られている。
研究チームは、肝毒性のマウス動物モデルを使用して、ナツメグの肝臓保護機能のメカニズムを探った。メタボロミクス解析によって、ナツメグは、種々の脂質やアシルカルニチンを健康なレベルに保つことで肝臓を損傷から保護する働きがあることが明らかになった。また遺伝子発現研究から、PPARαがナツメグによって変化すること、PPARα遺伝子を欠くマウスでは肝臓損傷からナツメグの保護効果が見られないことが明らかになった。
加えて、研究チームは、ナツメグの特異成分であるミリスリグナンに肝損傷からの強い保護効果があることを明らかにした。
出典は『プロテオーム研究雑誌』。 (論文要旨)
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