アメリカなどでは、サプリメントの効能を明記してあり選びやすいのですが。なぜ日本では薬事により表記できないようしているのですか?日本製品は玉石混合状態なので整理する必要はあると思いますが、アメリカ製品の場合には整備されているので日本での販売まで規制する必要ないと思いますがどうですか?また、薬事の改正に向けた動きなど教えてください。

Requested by ゲスト and Answered by Root on 18-Sep-2008 22:09

アメリカなどでは、サプリメントの効能を明記してあり選びやすいのですが。なぜ日本では薬事により表記できないようしているのですか?日本製品は玉石混合状態なので整理する必要はあると思いますが、アメリカ製品の場合には整備されているので日本での販売まで規制する必要ないと思いますがどうですか?また、薬事の改正に向けた動きなど教えてください。

日本でも米国でも、医薬品と食品の区別は明確になっていると思います。ただし、サプリメントについては米国ではビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブなどを含み、通常の食品と紛らわしくない錠剤やカプセル形状のものがダイエッタリーサプリメントとして定義されているようです。日本ではサプリメントなるものに明確な定義がありません。

日本では、米国のようなダイエッタリーサプリメントのような法律はありませんが、特定保健用食品や栄養機能食品という保健機能食品制度があります。栄養機能食品は、日本人が場合によっては不足する可能性があるビタミンやミネラルについて、食品中の含有量の上限と下限の基準を示した食品であり、利用者が正しく理解していれば、効果的に利用することができます。これは日本人を考慮して基準が作られており、米国のダイエッタリーサプリメントよりも優れていると思います。特定保健用食品についても、その意義と利用方法を理解し、適切に利用すれば、私たちにとって優れた食品になります。

米国でのダイエッタリーサプリメントの問題点として、その有効性や安全性の科学的根拠が乏しい植物成分を含む製品の存在があります。そのような製品が本当に消費者の役に立つかどうかは、今後の検証を待たなければなりません。実際、ビタミンやミネラルが過剰摂取されていますが、最近、過剰摂取による悪影響が出てくるという論文も報告されるようになってきました。

ここで留意したいのは、米国と日本とでは文化、教育、食生活等の社会背景が異なり、サプリメント等の必要性や有用性について、同等に考えることができない状況があることです。例えば、サプリメントは基本的に不足している成分を補うために利用するものであり、食生活が異なれば、当然、不足している成分も日本と米国では異なります。

米国が良い、日本が悪いと両極端に判断することはできないでしょう。どちらにも良い点と悪い点があるのではないでしょうか。米国でも日本でも、日常のバランスのとれた食事、運動を含めた生活習慣が重要なことは間違いないと思います。

【梅垣敬三】

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