食事摂取基準の改定は、なぜ5年に1度なのですか?

Requested and Answered by ゲスト on 07-Aug-2013 13:25

食事摂取基準の改定は、なぜ5年に1度なのですか?

ご存じの通り、日本では、国民の健康を維持・増進するためのエネルギー、栄養素の摂取基準値として栄養所要量が使われてきました。栄養所要量の歴史は古いのですが、1969年からは厚生省(現在の厚生労働省)が所管官庁になり、それ以降は、5年おきに策定されています。その後、2005年版より名称が食事摂取基準に変わりました。

食事摂取基準を策定することが法律で定められたのは比較的最近のことで、2009年に健康増進法第三十条の二に「厚生労働大臣が定めて公表する」という法的根拠ができてからです。
法律上は、なぜ5年おきに策定しなければないかの記載はありませんが、5年ごとに改定することで、最新の研究成果を、反映させることが出来る仕組みになっています。

なぜなら、食事摂取基準を作る際には、世界中で進んでいる栄養に関する研究を集め(エビデンスの収集)、それぞれの研究結果について、専門家が内容を読み、まとめる作業を行い(エビデンスの系統的レビュー)、基準値を策定します。エビデンスは、世界中で常に新しい成果が出ているため、5年ごとに改定することで、栄養と健康に関連する新しい情報をいち早く取り入れた食事摂取基準となっています。

諸外国を見てみると、定期的に食事摂取基準を改定している国は多くなく、”エビデンスの蓄積度”の具合に応じて、その時々で個別に栄養素の策定委員会がたち上げられ、該当する栄養素のみの値の改定がなされています。最近で言えば、アメリカ・カナダ食事摂取基準のビタミンD、カルシウムの基準値が14年ぶりに新しくなりました。

食事摂取基準研究室スタッフ

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