『野菜の栄養はカットしてから時間経過とともに低下していく』という話を聞いたのですが、どのくらいの時間で何%の栄養が失われてしまうものなのでしょうか?
食品に含まれる栄養には様々な種類があります。
野菜を切った場合、野菜に含まれる一部の栄養成分は徐々に減少します。
しかしその一方で、ほとんど含有量が変わらない栄養成分もあります。
ですから、時間が経つと「栄養の全くない意味のない野菜」になってしまうというわけでは決してない、ということを最初に前置きさせてください。
その上で、ご質問に答えさせていただきます。
野菜を切ったり、火を通したりすることにより、減少してしまう栄養成分として「ビタミンC」が有名です。
キャベツとキュウリをカットして5日間冷蔵保存した場合、キャベツだと6割程度のビタミンCが残っているが、キュウリだとほとんど残っていなかったという実験データがあります。
このように野菜の種類により、カット後のビタミンCの壊れやすさは大きく違います。
そのため、「ビタミンCを考えると、カット野菜の保存は室温だと○時間以内、冷蔵庫だと○日以内」といった具体的な情報がお望みなのかとは思うのですが、簡単にお答えすることができません。
飲食店で野菜をカットして保存しおくことは、業務の能率を上げ顧客への提供時間を短縮したり、使えなくて駄目にしてしまう材料を減らしたり、様々なメリットがあるかと思います。
始めに書いたように、「カット後に一部の栄養成分量が減少する」といっても「栄養の全くない意味のない野菜」になってしまうというわけではありません。インターネットを見ますと、「(スーパーなどで売っている)カット野菜は野菜としての価値はない(極めて低い)」といった行き過ぎた情報も見当たりますが、そのようなことはありません。
野菜を切ってから使い切るまでの時間を短くする、使う分だけ冷蔵庫から出すなどの工夫を、無理のない範囲でされてはいかがでしょうか。
竹林 純
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