2010年1月の投稿「食事摂取基準2010年版」の活用についての質問の回答の中に、「そこで、2010年版では個人の基礎代謝量を推定する式の一例として、国立健康・栄養研究所の式が紹介されています。」とありました。2010年版摂取基準の本を見ましたが、掲載されている場所がよくわかりませんでした。具体的にどこに紹介されているのか?教えて頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

Requested and Answered by ゲスト on 09-Nov-2011 14:31

2010年1月の投稿「食事摂取基準2010年版」の活用についての質問の回答の中に、「そこで、2010年版では個人の基礎代謝量を推定する式の一例として、国立健康・栄養研究所の式が紹介されています。」とありました。2010年版摂取基準の本を見ましたが、掲載されている場所がよくわかりませんでした。具体的にどこに紹介されているのか?教えて頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

回答が遅くなり、申し訳ありません。


「総論 3.活用の基礎理論」の中で、

また、性、年齢(階級)、身長、体重などから基礎代謝量を推定する簡易式が
いくつか知られており、
代表的なものとして、Harris.Benedict の式29)、FAO/WHO/UNU の式12)、
日本人を対象としたものとしてGanpule の式30)などがある。
 しかしながら、欧米人を対象とした式を用いた推定値は
真の基礎代謝量よりもやや高めに出る傾向があるなど31,32)、
いくつかの留意点も指摘されている。


という記述があります(p.20?21)。


Ganpule の式30)は、最近、国立健康・栄養研究所で、
日本人成人を対象に得られた式です。


ただ、食事摂取基準の中で、
当研究所の式を強く勧めているわけではありませんので、
その点はご注意ください。



「食事摂取基準(2010年版)」が出た後になりますが、
当研究所の式を含めた基礎代謝量推定式の妥当性の結果が、
1)解説と2)論文になっています。
いずれも、PDFを無料でとることができます。

それらの、当研究所での測定結果をみた限り、
やはり当研究所の式が、もっとも当てはまりがよいように思われます。


1)田中茂穂. 総論 エネルギー消費量とその測定法. 特集:必要エネルギー
量の算出法と投与の実際. 静脈経腸栄養 24(5): 1013-1019, 2009.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/24/5/1013/_pdf/-char/ja/

2)Miyake R, Tanaka S, Ohkawara K, Ishikawa-Takata K, Hikihara Y, Taguri E, Kayashita J, Tabata I. Validity of predictive equations for basal metabolic rate in Japanese adults. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 57(3): 224-232, 2011.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnsv/57/3/57_224/_article




独立行政法人 国立健康・栄養研究所
健康増進研究部
エネルギー代謝研究室長
田中茂穂

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