Welcome GUEST
重要なお知らせ
現在リニューアル中のため、これは閲覧のみの旧バージョンです。質問や検索はできませんのでご注意下さい。
トップ  >  研究紹介  >  食育の現状?食育基本法が施行されて5年目の評価とこれからの課題?
食育の現状?食育基本法が施行されて5年目の評価とこれからの課題?

【はじめに】
 わが国では、2005年の食育基本法の施行に基づいて、食育が全国において展開されています。食育は、食を通じて、全ての国民が健全な食生活を実践し、心身共に健やかに生活できるための環境整備と啓発活動を行っていくものです。

食育プロジェクトでは、国の研究機関として、国や地方自治体を支援しながら、食育推進に取り組んできました。

【食育推進の評価と課題】
 今年は5年の節目の年に当たり、この5年間の評価に基づいて、2011年からの基本計画の策定が内閣府では進んでいます。食育基本計画が策定された際の、食育に感心を持っている国民の割合は69.8%であり、2010年に90%以上をめざしてこれまで取り組みがなされてきましたが、現状を見ると71.7%と残念ながらその目標値は
達成できませんでした。

しかし、実際に食育という「言葉を知っていた」という人の割合は、52.6%(2005年)から75.8%(2009年)に増加しています。着実に食育という言葉は浸透し、認知はされてきていることは明らか
ですが、関心を持つに至るには後一歩のようです(図1)。



 食育推進基本計画は、国から各都道府県へ、そして市町村へ移り、その計画にのっとって自治体として取り組んでいく仕組みがとられています。5年間で、都道府県単位での推進計画は100%策定され、現在各市町村版が策定されている過程にあると考えられます(図2)。



 また、基本計画の中で具体的食生活の目標である朝食欠食は、子供たちでは4.1%から1.6%へと減少し、学校での食育の取り組みの成果が現れていると思われます。
その一方で、同じ朝食欠食に関して、20歳代男性では29.5 % から30 %(2008年)、30歳代男性では23.0%から27.7%(2008年)と逆に増加しています。

 このことから、子供たちは保育園や小学校のような食育の場が明確であり、そこに栄養教諭のような法的整備もなされた食育の環境が整っている場での食育に対して、若年成人のように生活する場が、大学や職場といった広範囲に広がっている場合では、食育が難しいことがわかります。

【食育推進の今後の取り組み】
 今の子供たちに食育がなされていることにより、数年後の成人の朝食欠食が減少するだろうという期待の中で、今後も子供たちへの食育をまず継続すると共に、大学や職場での具体的食育への仕組み作りが求められていることは間違いないと思われます。

地方自治体においても政策としての環境が整いつつある今、すべての年齢層に向けて、周知から実践へ、関心期から実行期へ移行できるような継続実践的な取り組みが、より一層必要であると考えられます。

【栄養教育プログラム/食育プロジェクト 饗場 直美】

(当研究所機関誌「健康・栄養ニュース第34号」(平成22年12月15日発行)より転載)

プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:9 平均点:4.44
作成:2011/1/11 16:30:53 自動登録   更新:2011/1/11 16:31:28 自動登録   閲覧数:7811
前
生物統計学観点から栄養・健康に着目した研究(腎機能低下予防・維持に関連して)
カテゴリートップ
研究紹介
次
β-カロテンのビタミンA転換効率に関する基礎的研究

メインメニュー