Welcome GUEST
重要なお知らせ
現在リニューアル中のため、これは閲覧のみの旧バージョンです。質問や検索はできませんのでご注意下さい。
トップ  >  2008年度の進捗状況  >  栄養疫学プログラム  >  進捗状況(成果)
栄養疫学プログラム

3.進捗状況(成果)


a.国民健康・栄養調査プロジェクト

●平成19年国民健康・栄養調査の集計

・平成19年国民健康・栄養調査について、厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室の指示に基づき、基本集計表一式を6月30日に生活習慣病対策室へ提出した(前年比40日の短縮)。なお、平成19年国民健康・栄養調査結果の概要(速報値)は平成20年12月25日に厚生労働省より発表された。


●平成20年国民健康・栄養調査の集計

・平成20年国民健康・栄養調査については、各自治体からの調査票の提出を確認後、順次集計作業を開始・継続している。


●健康・栄養調査技術講習セミナーの開催

・都道府県、政令市、中核市、特別区等に勤務する行政栄養士を対象とした「健康・栄養調査技術研修セミナー(調査実務編)」を大阪府豊中市(8月1日)、愛知県名古屋市(8月7日)、岡山市(8月8日)、岩手県盛岡市(8月26日)、当研究所(8月30日)において開催した。また、「健康・栄養調査技術研修セミナー(調査企画・解析・評価編)」を当研究所(8月28日)において開催した。


●健康・栄養調査業務支援ソフトウェア「食事しらべ」の作成及びこれに関する技術講習セミナーの開催

・平成20年国民健康・栄養調査に向けて、栄養摂取状況調査ならびに身体状況調査に対応した業務支援ソフトウエア「食事しらべ」を新規に作成し、利用を希望する自治体へ配布するとともに、その利用状況や使い勝手等についてアンケート調査を実施した。なお、操作説明を兼ねた「健康・栄養調査技術研修セミナー(食事しらべ編)」を東京都千代田区(10月29日)で2回、大阪市(10月30日)で2回(計4回)開催した。なお、「食事しらべ」については、名称および著作権を登録した。


●平成20年国民健康・栄養調査及び各自治体等が実施する健康・栄養調査に関する情報提供

・当研究所のホームページ上で平成20年国民健康・栄養調査の適正な実施に資する情報を提供した。今年度についても、過去に実施された国民健康・栄養調査の際に問い合わせが多かった事項や誤りが多かった点について、Q&A方式の対応事例を追加した。また、実際の調査主体となる保健所における調査員の研修に用いる教材や具体的な練習問題についても内容を追加・改訂し充実させた。

・国民健康・栄養調査及び各自治体等が独自に実施する健康・栄養調査等に関して、質問や依頼があった場合は、個別に技術支援を行った。

・栄養摂取状況調査の精度向上と標準化を主たる目的とした「標準的図版ツール(試作第2版)」を作成した。これは前年度試作した「標準的図版ツール」を利用者の意見に基づいて発展的に改訂したものである。今年度も利用希望のあった保健所担当者へ配布し、実際の調査に試用してもらった後、それらの内容に関してアンケート調査を実施した。また、「栄養摂取状況調査のための標準的図版ツール(試作第2版)に基づく重量目安表(試作版)」も作成し、同様の対応とした。

・国民健康・栄養調査を担当した地方自治体主管部局や保健所の管理栄養士等を対象としたアンケート調査を実施し、本年度の支援業務の評価と次年度以降における支援の在り方等について情報収集を行った。


●厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室との連携

・「平成20年国民健康・栄養調査」の企画、各種調査票の設計、食品番号表・調査必携の作成並びに厚生労働省が開催している担当者会議等に関して、生活習慣病対策室と密接に連携し、適切な調査が実施されるよう最大限の対応を行った。


●その他関連する受託業務等

・厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課からの受託業務として平成16年度より実施している「食品摂取頻度・摂取量調査」(国民健康・栄養調査方式の栄養摂取状況調査等を季節ごとに各3日間実施)について、データの集計・解析及び取りまとめを実施した。


b.食事摂取基準プロジェクト

●日本人の食事摂取基準(2010年版)策定

・所内各部署の研究者と協力して、日本人の食事摂取基準(2010年版)の策定業務に、策定検討委員、ワーキンググループメンバー等として参加するとともに、ワーキンググループ間の調整、連絡業務を実施した。

・日本人の食事摂取基準の策定のためのREFRENCE事務局をプロジェクト内に設置し、厚生労働省をはじめ策定検討委員等研究所内外からの文献資料の依頼に応じ、資料提供を行った。

・今後の日本人の食事摂取基準策定における作業の円滑化、科学的根拠を明確にするという目的から、実際の策定に使用した文献並びに参照した文献を登録、管理するシステム<データベース>を構築した。

・参考資料として、?2005年版食事摂取基準使用文献、?2002年以降の新たな関連文献、?前回検討不十分だった栄養素のメタ分析やレビュー、計3086件を収録した新たなデータベースを、食事摂取基準検討委員会開始時に、各策定検討委員およびワーキンググループメンバーに配布した。


●栄養素摂取状況と健康状態に関する栄養疫学研究

・栄養疫学研究としては、肥満者の栄養教育・運動指導による介入研究「佐久肥満克服プロジェクト」を所内外の研究者等と共同で行った。肥満解消を目的とした1年間の栄養教育・運動指導の介入を行った結果、介入群において体格や血中生化学指標に改善が見られるとともに、エネルギー摂取は減少し緑黄色野菜や豆類の摂取が増加していた。


●食事摂取基準活用に関する調査研究

・全国6都道府県の介護保険施設を対象に献立作成時の食事摂取基準の利用と摂取エネルギー及び栄養素量の設定に関するアンケート調査を行った。多くの介護保険施設が、献立作成時に2005年版食事摂取基準を利用・参照しており、基本的な献立の栄養素については、食事摂取基準の推奨量もしくは目標量を使用していることが明らかになった。


c.生体指標プロジェクト

●ビタミンKの栄養生理学的意義に関する研究

・ビタミンK2の骨代謝、脂質代謝及びその他の生体指標に及ぼす影響について用量依存性を検討するため、79名の閉経後女性を対象に、MK-4の二重盲検無作為割付比較試験を実施した。


●大豆イソフラボンの栄養生理学的意義に関する研究

・大豆イソフラボンの代謝産物であるエクオールの生理的意義を明らかにするため、閉経後女性を対象に二重盲検無作為割付比較試験を実施した。

・閉経後骨粗鬆症モデル動物を用い、エクオール産生を亢進させる食品成分の検索を行った。

・「健康食品」中の大豆イソフラボンの成分分析を行うとともに、食品の表示に関する調査を行った。


●ミネラルの摂取量に関する研究

・就学前幼児の食事によるミネラル摂取量を推定した。対象は三重県T市在住の3歳、4歳、5歳の幼児で、各年齢の男女各15名、合計90名であった。夏、秋、冬の1日に摂取した食事を陰膳方式で採取し、化学分析によりカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン摂取量を測定した。摂取量は食事摂取基準と比較すると大きく異なっていた。ナトリウムの摂取量は体重の増加とともに増加し、体重当たりカルシウム摂取量は年齢が上昇するにつれて低下した。

・たんぱく質の摂取量とカルシウム、マグネシウム、リンの出納との関係を出納実験のデータをもとに解析した。実験で設定したたんぱく質摂取量のレベルでは、たんぱく質の摂取量はカルシウムの尿中排泄量と正の相関を示したが、3元素の出納とは相関せず、食事摂取基準で言われている、たんぱく質の摂取量がカルシウム出納に与えるという根拠は示されなかった。


●生体指標の定量システム確立に関する研究

・昨年度に確立した時間分解蛍光免疫測定法による各種生体指標の測定系及びRIA法による血中25(OH)Dの定量システムを用い、ヒトを対象とした栄養素及び食品成分の栄養生理学的意義に関する研究で活用した。

・血中ビタミンKの定量システムの確立に向けた研究を開始した。


●新規生体指標の開発に関する研究

・メタボリックシンドロームの指標となるビタミンA結合タンパク(RBP4)遺伝子発現制御機構を明らかにするための研究を実施し、脂肪細胞におけるRBP4遺伝子発現制御に関与するプロモーター領域を特定した。
プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:5 平均点:4.00
作成:2009/10/23 15:16:55 自動登録   閲覧数:5336
前
年度計画
カテゴリートップ
栄養疫学プログラム

メインメニュー