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安全な摂取量に着目した健康食品情報の提供

【背景および目的】

 当プロジェクトでは、健康食品に関する情報を収集・分析し、データベース化したものをホームページ(『健康食品』の安全性・有効性情報(https://hfnet.nih.go.jp))で公開しています。健康食品の情報が氾濫し、不適切な目的や方法で健康食品を利用し健康被害を起こす人が増えている中、販売目的ではなく、安全性に重点を置き、公正かつ科学的な情報を提供することを目的としています。星の数ほどある健康食品の情報のうち、HFNetが他の情報源と異なるのは「摂取量に注目した情報」を提供しているところです。健康食品は一般にイメージのみで判断され、販売者も消費者も成分の摂取量に関する知識がないまま健康食品を扱っていることも少なくなく、それが特定成分の過剰摂取や健康被害につながっています。これを根本的に防ぐため、HFNetでは摂取量に重点をおいた情報提供をしています。


【情報収集と作成方法】

 HFNetに掲載している健康食品の原材料(素材)情報は、2009年6月現在で約350品目あり、個々の素材について学術論文情報を収集しています。具体的には「素材名」「ヒト試験」をキーワードとして、米国の「PubMed」や、日本の「医学中央雑誌」で論文を検索し、その結果を翻訳あるいは編集してHFNetに掲載しています。掲載の際には「誰が、何を、どの程度の量と期間で摂取し、どうなったか」をできるだけ具体的に記述するとともに、出典を明らかにして、専門知識のない一般の利用者でも容易に「科学的根拠」が入手できるよう工夫をこらしています。これらの作業は、薬剤師、管理栄養士、NR(栄養情報担当者)をはじめ研究所内外の多くの専門家が担当しています。


【適正な情報の提供】

 新しい健康食品素材に関する情報を、逐時追加・更新しています。健康食品の多くは医薬品と類似した錠剤やカプセル状で、それゆえ、消費者はこれらの製品に「通常の食品のように安全で、医薬品のように効果がある」、つまり、「食べ物の良い面と薬の良い面を合体させたような、魔法の食品」のようなイメージを抱いているところがあるようです。こうした誤認が健康食品の抱えている根本的な問題の一つなのですが、どのような食品も突き詰めれば一つの化学物質から構成されており、「食品なら安全で、薬は危険」ということではありません。食品でも、特定の成分を、精製・濃縮した形で過剰摂取すれば、有害な作用が発現する可能性があることを、知ってほしいのです(下図)。私たちが心がけている「摂取量を明確にした情報提供」は、健康食品による健康被害の防止と、安全性についての適切な評価、さまざまな情報に接する際の冷静な判断などに役立つと考えています。


【今後の方向性】

 健康食品については、最新の科学論文情報も重要ですが、現時点では「情報の科学的な解釈、健康食品の特徴、利用する際の留意点」など、健康食品を科学的根拠に基づき賢く利用するための、基礎的な知識の普及がより優先されると考えています。そこで当プロジェクトでは、今後、そのような基礎的な知識の普及に一層努めたいと考えています。まだ当サイトをご覧になっていない方は是非(https://hfnet.nih.go.jp/)) をチェックしてみて下さい。【情報センター/健康食品情報プロジェクト】



ニュースレター「健康・栄養ニュース」第8巻1号(通巻28号)平成21年6月15日発行から転載
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作成:2009/9/25 16:54:19 自動登録   更新:2009/9/25 17:00:26 自動登録   閲覧数:3358
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