二種類のプロバイオティック菌種を備えた発酵乳によるスギ花粉症に対する二重盲検プラセボ対照試験

アレルギー疾患の治療のために乳酸菌をを使用できる可能性について、これまで多くの関心が寄せられてきた。本研究はラクトバシラスGG(LGG)株とL. ガセリTMC0356(TMC0356)株の2つの菌種におけるスギ花粉症に対する効果を調べるために行われた二重盲検プラセボ対照試験である。

検査された細菌を培養した発酵乳もしくはプラセボヨーグルトが、10週間にわたってスギ花粉症既往歴のある40人の被験者に投与され、2群間において自覚症状、セルフケア手段と血液サンプルが比較された。末梢血単核細胞(PBMCs)がスギ花粉症7例の患者から採取され、また加熱殺菌された乳酸菌が認められる場合、分離PBMCsによる生体外サイトカイン生産物が分析された。

プラセボ群と比較して、発酵乳消費群で9週間(P < 0.05)後の平均鼻閉症状スコアと9週および10週後の平均症状-投薬スコア(それぞれP < 0.01とP < 0.05)が減少した。

試験された乳酸菌株は、株依存的な方法で生体外で分離PBMCsによってサイトカイン産生に影響を及ぼした。LGGは、Cry j 1とPHAによって刺激されるPBMCsによって、有意にIL-4とIL-5産生を阻害した。

TMC0356は、PHAによって促進されるIL-5産生を抑制したのみであった。

LGGおよびTMC0356を含有する発酵乳は鼻閉症状に対する効果という点でスギ花粉症に対し有益かもしれない。またLGGとTMC0356の効果は、部分的には少なくとも人間のTh2免疫応答の特定のダウンレギュレーションによってもたらされるものである可能性がある。

PMID:18977549

Int J Food Microbiol. 2009 Jan 15;128(3):429-34. Epub 2008 Oct 7.
Kawase M, He F, Kubota A, Hiramatsu M, Saito H, Ishii T, Yasueda H, Akiyama K. "
Effect of fermented milk prepared with two probiotic strains on Japanese cedar pollinosis in a double-blind placebo-controlled clinical study." タカナシ乳業商品研究所