食品アレルギーの家族集積性と食物アレルゲンへの感作:家族ベースの研究背景:食品アレルギーの流行増大は臨床的かつ公衆衛生上の問題として悪化しつつある。食品アレルギーにおける遺伝的因子の関連性はまだ余りよく分かっていない。
目的:本研究では家族集積性のパタンと食品アレルゲンに対するアレルギー感作において遺伝が関与する割合について検討している。
方法:米国イリノイ州シカゴにおいて行われている食品アレルギー研究の一部として、581組の核家族を対象に調査(のべ2,004人)された。食品アレルギーはタイミング、標準化された対面アンケートによって得られた臨床症候、ファディア社製イムノキャップを持ち用い測定された特異的IgE抗原によって同定された。食品アレルギーの家族集積性及び食品アレルゲンに対する感作性は一般化推計方程式(GEE)を用いて、年齢、性別、民族、出生順序などを勘案して検査された。遺伝性は食品特異性のIgEを測定することによって推定された、
結果:基準となる子どもにおける食品アレルギーはその他の子どもの食品アレルギーにおける有意かつ独立した予測因子であった(OR=2.6, 95% CI: 1.2-5.6, P=0.01)。また家族間において総IgE及び9つの主要な食品アレルゲン(ゴマ、ピーナッツ、小麦、牛乳、卵白、大豆、クルミ、エビ及びタラ)に対する特異的IgEの有意かつ正の関連性が見られた(父子、母子、兄弟関係間において)。食品特異的IgEの推定遺伝性は0.15から0.35の間にあり、テストされた9つのアレルゲンに対してすべて統計的に有意なものであった。
結論:本家族ベースの研究は強い食品アレルギーにおける家族集積性と食物アレルゲンに対する感作性を示した(特に兄弟間において)。推定遺伝性は食品特異IgEが遺伝的かつ環境要因療法によって伝播されることを示唆するものであった。総合すると、この研究は宿主遺伝感作性と環境要因がIgEによって媒介される食品アレルギーの複雑な痕跡を決定づけるという強力な根拠を提供するものとなった。
Tsai HJ, Kumar R, Pongracic J, Liu X, Story R, Yu Y, Caruso D, Costello J, Schroeder A, Fang Y, Demirtas H, Meyer KE, O'Gorman MR, Wang X. "
Familial aggregation of food allergy and sensitization to food allergens: a family-based study." Clin Exp Allergy. 2009 Jan;39(1):101-9. Epub 2008 Oct 30.
PMID: 19016802 [PubMed - indexed for MEDLINE]