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ココ


 健康ニュースの情報源として、3番目に紹介するのは、英国国営放送(BBC)です。

 日本のNHKに相当する公共放送で、ラジオもTVもあります。欧米のマスメディアによるウェブ進出のなかでもBBCは特に目立つ存在だったように思いますが、特筆すべきはその健康欄の充実ぶりです。

 欧米のメディア・サイトは、よそも日本に比べればそれなりに充実していましたが、BBCは際立っていました(実際に同じくらい充実したサイトは他にもあるのですが、広告のバナーがないサイトはほとんどありません。広告が気にならならない方は、健康栄養学情報探索頁:ニュースソースに多くのリンクがあります。ただし、このページは最近はアップデートしてないのでリンク切れも多いです)。

 人々の興味を惹く扇情的な、たとえば南アフリカでは未だに呪術師が医師と同等の存在であるらしいこと、若い肥満女性を(意図的に)量産するモーリタニア、などといった記事も、TV系なので当然のごとく存在しますが、それ以上に最新学術研究が日々紹介されていますし、そちらの学術研究の紹介のほうがメインなのです。

 写真入りで、関連リンクも充実しているところは、さすがマスメディアサイトだけあって、かなりの費用がかかっているのではないかと思います(ただし、写真は使い回しが多い。例えば肥満の)。

 TV映像つきのニュースもあり、読者投票のコーナーもありで、そのあたりは完全にマスメディアサイトです(あたりまえですね)。

 数年前、超・低炭水化物ダイエットの代名詞的な存在であるアトキンソン・ダイエット(少なくとも日本、米国、英国、カナダの栄養士会からは拒否されている)を、カロリーチャンバーで測定しようという番組が紹介されていたことがありました。栄養学の専門家でなければ、カロリーチャンバーがなんなのかほとんど想像もつかないでしょうが、栄養学の専門家なら、アトキンソン・ダイエットを検証したりしないでしょう。

 自然科学系の基礎教育を受けた社員がかなりいるのだと思います(外注?)。

 論文の紹介記事は、一応出典が明記されています。文章は、平易で一般読者に配慮されており、自然科学の論文のような難解さはありません(EurekAlertの記事は、しばしばチョーがつくほど難解です)。

 惜しむらくは、記事数がEurekAlertやMedlinePlusに比べてかなり少ないこと。

 もっとも、それだけ精選されているという考え方もできます。

 また、ときどき面白さが優先して、他のサイトのように学術的信頼性が高いとは言い難い記事があります。公共放送としては、ある程度はしかたのないことですから、読み手として、そのつもりで判断していく必要があります。

 他の2つのサイトと異なり、見た目も心地よいデザインになっていますから、ぜひ一度アクセスしてみることをお勧めします。

 私自身は、これら3つのサイトを毎日チェックしていますが、6年以上続けている経験からいえば、メディアに取り上げられるような人々の興味を引くニュースを探すのには、この3つのサイトを常時チェックしていれば充分です。

 あとは、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、韓国、中国、日本(!)などのローカルメディアで、各国の研究が紹介されますが、これは本当にわずかです。

 日本人を対象にした疫学研究などは、確かに欧米のメディアでは取り上げられず、日本のメディアに依存していますが、それは他の日本語のメディアがいくらでもやってくれます。必要なら、Googleニュースなども合わせてチェックすれば良いでしょう。

 次回は、健康・栄養学情報探索頁で、Googleニュースの各国語版に機械翻訳を使ってアクセスする方法についてご紹介します。

【廣田晃一 IT支援プロジェクトリーダー】

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作成:2009/2/23 20:44:17 自動登録   更新:2018/2/7 9:51:51 root   閲覧数:6424
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