海鞘(ほや)の栄養分

【質問】
 某放送局の者です。
 この度、担当している番組のコーナーの中で海鞘(ほや)を紹介することになりました。
 栄養分の信憑性のある情報がなかなか得られず、資格を持った方のお答えをいただきたく問い合わさせていただきました。
 お忙しい中大変恐縮ではありますが、教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。


【解答】
 ほやの食品成分値については「生」と塩辛が五訂増補日本食品成分表に収載されています。第一出版 03-3291-4576

 この本は3編に分かれていて食品の成分値(第1編)、脂肪酸組成(第2編)、収載食品の解説(第3編)のいずれもほやが収載されています。

 第3編には、
「ほや」は主としてマボヤ、アカボヤの外皮(一番外側の堅い殻)を除いて食用とする。「塩辛」は外皮等を除去したもの{筋膜体(堅い殻の内側で内臓部を包むように存在する筋肉)と内臓}を食塩とともに漬け込み熟成させたものである。と解説されております。
 水分が多く、通常は少量しか摂取しないので、あまり栄養学的には価値は少ないのですが、独特の味が酒の肴として喜ばれている珍味です。強いて言えば、鉄分と亜鉛がやや多い食品といえます。

 今話題となっているバナジウムを集積するほやがいますが、これは食用ではありません。【西牟田 守】