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(注:第1期中期計画時のプロジェクト紹介です。プロジェクト名、所属、肩書き等は当時のもので現在は存在しません)

いま研究室では:食品成分機能表示研究室

 食品成分機能表示研究室では、骨代謝および脂質代謝に関与する食品成分の機能性と安全性の評価を行なうとともに、特別用途食品の分析業務の一部を担当しています。

 骨は一見静かな器官に見えますが、実は新陳代謝が活発に起こっています。骨は身体を支える支持器官としての機能ばかりでなく、カルシウム(Ca)の貯蔵庫としての役割を担っています。

 Caは生命の維持のためにもっとも重要なミネラルですから、血中のCaが不足するとすぐに骨からCaが溶出して、血中のCa濃度が一定になるように代謝調節されています。従って骨は身体を支えるだけでなく生命活動を営むために重要な役割を果たしている器官といえます。

 骨量を決定する因子は、遺伝素因、栄養、運動、ライフスタイル、それとホルモンです。特に女性ホルモンには骨の吸収を抑える作用があることから、閉経による女性ホルモンの分泌低下が急激な骨量減少をもたらします。

 若いうちに十分に骨量を蓄えておかないと、閉経に起因する骨密度の低下が起こり、骨折し易い状態になります。これが閉経後骨粗鬆症です。日本人女性の約半数は一生涯のうちにこの病気による骨折を経験するといわれています。

 骨粗鬆症は、骨が折れないうちは自覚症状がほとんどないことから沈黙の病といわれます。骨折が発生してしまうと寝たきりにつながる可能性が高く、高齢者のQOLに大きく影響します。現在、要介護の高齢者を減らすために厚生労働省では様々な施策を講じていますが、骨折の予防は最も重要な課題といえます。

 そこで私達は日常生活において効率的に実施できる骨粗鬆症の予防法の確立を目的とする調査研究を行なっています。現在は、弱い女性ホルモン様作用を持つ大豆由来成分に着目し、閉経後に見られる骨代謝および脂質代謝の異常に対する大豆摂取の効果を調べています。そしてより効率の良い方法として、運動との併用効果について動物およびヒトを対象とした試験を行なっています。

 即ち、ボランテイアの閉経後女性に集まっていただき、週3回の早足ウオーキングと毎日の大豆イソフラボン摂取を実施し、骨および脂質代謝に対する影響を観察しています。毎日の食事と運動で予防効果が認められれば、元気な高齢者が増えるとともに医療費の削減にも繋がり“一石二鳥”ということになります。

 さて、一方で巷には様々な健康食品が出回っています。情報も氾濫していて、私達は何をどのように選択すれば良いのか分からないのが現状です。そこで国立健康・栄養研究所では、重点調査研究として4年前より科学的に検証されていない健康食品素材について、特に生活習慣病の予防に対する有効性と安全性の評価を行なっています。

 当研究室では、骨・軟骨の健康維持に効果があることを期待させる健康食品の成分について科学的な評価を行なっています。当研究所HPの「重点調査研究:食品成分有効性評価および健康影響評価」にアクセスしていただき、研究成果をご覧頂ければ幸いです(HP:https://www.nih.go.jp )。【石見佳子】



ニュースレター「健康・栄養ニュース」第4巻1号(通巻12号)平成17年6月15日発行から転載
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作成:2005/6/15 20:05:00 自動登録   更新:2008/7/4 17:15:55 自動登録   閲覧数:3887
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