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(注:第1期中期計画時のプロジェクト紹介です。プロジェクト名、所属、肩書き等は当時のもので現在は存在しません)

ヒューマンカロリメーターを用いたエネルギー代謝研究

 2000年、当研究所に、日本で初めてヒューマンカロリメーターが設置されました(写真)。

 これは、被験者が測定室内で生活している間の酸素濃度と二酸化炭素濃度の変化から、一日あたりのエネルギー消費量や、安静時、睡眠時、各種活動時のエネルギー消費量を正確に測定できるという装置です。

 これまで主に用いられてきたエネルギー消費量測定法は、以下の2つに大別できます。

・マスク等を装着し、測定した酸素摂取量等からエネルギーを算出する方法

・心拍計や加速度計等を装着したり活動内容を記録することによって、酸素摂取量との関係式からエネルギーを推定する方法


 前者の方法では、かなり正確に測定できますが、日常からは程遠く、長時間の測定が困難です。一方、後者は、あくまで間接的な推定法で、特に1日の大部分を占める低強度の活動においては、推定の精度に限界があります。

 そうした問題点の多くを解決してくれるのが、ヒューマンカロリメーターです。数時間?数日にわたって、±1%程度の極めて小さい誤差(従来の方法の数分の1)であることを、アルコール燃焼試験などによって、日常的に確認できます。利用されたエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)の推定も可能です。

 このヒューマンカロリメーターを用いて、以下のような検討を行っています。

1)規定された活動におけるエネルギー消費量および身体活動量

 日本人における生活活動に関する調査結果に基づき、一つの典型的と考えられる日常の身体活動を再現し、その間のエネルギー消費量を測定してみました。その結果、最近まで使用されていた栄養所要量(「第六次改定 日本人の栄養所要量」)に示された推定法では、エネルギー消費量や身体活動量が過小評価されることが明らかとなりました。

2)エネルギー消費量および身体活動量の評価法

 このように、日常生活、特に1日の大部分を占める低強度の活動(座位活動など)におけるエネルギー消費量を評価するのは、意外と難しいものです。そこで、これまで主に用いられてきた生活活動記録法(活動内容を記録し、それぞれの活動毎にエネルギー消費量の推定値を当てはめていく方法)等に加え、そうした低強度の活動の中身をとらえられるよう、新しい方法の検討および開発を行っています。

 これがうまくいけば、日常生活における身体活動の量および中身を、これまでより正確かつ客観的に評価でき、例えば、身体活動が肥満に及ぼす影響や、運動処方の成果を判定するのに有益となると期待しています。【田中茂穂】



ニュースレター「健康・栄養ニュース」第4巻2号(通巻13号)平成17年9月15日発行から転載
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作成:2005/9/15 16:03:50 自動登録   更新:2008/7/4 15:16:17 自動登録   閲覧数:4905
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