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わが国のメタボリックシンドロームに該当する男性と非該当男性の換気閾値と運動習慣の比較
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 運動はメタボリックシンドローム(以下メタボ)を予防し・改善するための有用な方法として認められている。

 換気閾値(VT)は、メタボ該当者のような運動による傷害や事故の発生リスクの高い者に対して、有酸素性運動を安全に実施することができる強度の上限と定義されており、運動処方のための正確で信頼できる運動強度の基準と考えられている。また、体力の一要素である全身持久力の指標としても認められている。しかしながら、運動習慣やVTによって定義された有酸素性体力と我が国における新基準によって定義されたメタボとの関係は十分に議論されていない。

 我々は、メタボである日本人男性(155名)およびメタボでない日本人男性(115名)において、VT時の各指標および運動習慣を評価した。

 VT時の酸素摂取量および仕事率は、メタボでない男性と比較してメタボである男性において有意に低く、BMIを共変量として補正した後でもその差異は消失することはなかった。

 運動習慣のある者の数は、メタボである男性において有意に低かった。

 運動習慣のある者は、運動習慣のない者と比べて有意に高齢であった。

 さらに、VT時の酸素摂取量および仕事率は、運動習慣のない者と比較して運動習慣のある者において有意に高かった。

 VTのレベルが低いことは、メタボである者の特徴であった。

 以上の結果は、メタボの予防のために、運動を習慣化するとともに、全身持久力を高めるような運動に取り組むことを推進するべきであることを示唆している。〈 メタボリックシンドローム該当者と非該当者における換気閾値と筋力との関連〉

 メタボである者およびそうでない者における全身持久力の指標であるVTともう一つの重要な体力要素である筋力との関係は検討されてない。

 我々は、226名のメタボである日本人男性および265名のそうでない日本人男性とで、VT時の酸素摂取量および筋力の両方を比較した。VT時の酸素摂取量と体重あたりの筋力(握力)はメタボでない男性と比較してメタボである男性において有意に低いことが認められた。

 しかしながら、体重あたりの筋力やVT時の酸素摂取量を相互に共変量として補正すると、これらの差異は有意水準に達しなかった。全身持久力と筋力との間には関連があり、これらがともに低いことはメタボ該当者の特徴であった。

 この結果は、メタボの予防には、全身持久力のみならず筋力も高めるような運動に取り組むことを推奨すべきであることを示唆している。

〈総括〉
 運動習慣の有無や体力の優劣が将来のメタボ発症の予測因子か否かを確認するためには、さらに今後、大規模な前向き観察研究や介入研究が必要である。将来の運動基準の改定をより質の高いものにするために、日本人を対象とした大規模前向き研究の遂行が必要であろう。 【宮地元彦】

 本研究は、岡山県南部健康づくりセンターとの共同研究です。

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第6巻3号(通巻22号)平成19年12月15日発行から転載


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作成:2008/6/12 14:16:17 自動登録   更新:2009/2/5 13:33:34 自動登録   閲覧数:15710
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