食品の利用可能エネルギーの測定について

【質問】
 種々の食品に「カロリー」表示がみられますが、多くの場合、含まれる成分のカロリーについての「標準的な表」を参照して計算されていると推察します。

 その「標準的な表」は、もともとどこでどのようにして作られたのでしょうか?(燃焼熱測定によると予想しています)

 また、現在国内でそのような実験を行っている研究機関があるのでしょうか? あれば、場所を教えてください。


【解答】
 食品中の(ヒトが)利用可能なエネルギーの測定方法、または算定方法についてのお問い合わせです。

 現在使われている「五訂増補日本食品標準成分表」には、エネルギーの算出方法が記載されています。食品によって異なっておりますので、直接お調べください。食品ごとに脂質、たんぱく質、炭水化物のエネルギー換算係数が示されています。

 測定法の1つは、食品中と糞便中のエネルギーを爆発熱量計で実測し、吸収されたエネルギーを求めるというものです。ただし、消化管には内因性に分泌された消化液などが含まれ、腸内細菌がエネルギーを利用するために、個人差が多く、実験も大変です。

 現在でも、キノコ類、海藻類、こんにゃくなどのいも類の利用可能なエネルギーは正確には測定されておりません。

 最近、当研究所で新しく爆発熱量計を購入しましたので、機械自体は存在しますが、オペレーターがいないので、当研究所での取材は難しいと思われます。機械の製作業者は島津製作所なので、使用している研究施設は把握しているのではないでしょうか。

 当研究所のOB、聖徳大学教授の江指隆年先生は、それを使われた経験があると聞いております。【西牟田守】