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牛乳は体に悪いか

【質問】
1、現在の給食における牛乳の在り方についてどのように考えますか?(栄養的・組合わせ的に)
2、牛乳のプラスのイメージを伝える教育・宣伝はなされているが、牛乳のマイナス面が伝えられるのがほとんど無いのはどうしてか?


【解答】
1、どのように考えるかは個人で異なります。ノーコメントです。ただし、学校給食等では食事摂取基準に見合うカルシウムを摂取させる必要がありますが、普通牛乳はカルシウムの良い供給源になります。
2、牛乳のマイナス面とはどういうことですか?国立健康・栄養研究所は牛乳に関して公式見解を発表しておりませんので悪しからず。【西牟田守】


【質問2】
 西牟田先生に質問です。
 牛乳に関してですが、現在50万部以上のベストセラーになっている米国アルバートアインシュタイン医科大学外科教授新谷弘美の『病気にならない生き方』をご存知でしょうか?

 全米ナンバーワンの胃腸内視鏡外科医が書いた本が50万部以上売れているという社会的影響は牛乳の廃棄などのニュースにもなって、徐々に現れているのではないでしょうか?

 「牛乳に関して公式見解を発表しておりませんので悪しからず」といっていいのでしょうか?

 特に67ページからの「食の常識を信じていると命が危ない」のなかでの牛乳の取り扱いは、「牛乳はある意味で最悪な食物なのです」と明記して70ページからは「牛乳を飲みすぎると骨粗しょう症になる」という項目もあります。

 また、多くの芸能人のソフトファスティングを指導しTV出演も多数の山田豊文杏林予防医学研究所所長の「ビタミン、ミネラル革命」51ページには「それでも牛乳飲みますか?」という項目において、牛乳の害について説明してあります。また、60ページには「バターより悪いマーガリン」という項目もあります。

 お二人とも現在薬局薬店関係の講演会にひっぱりだこの状況です。私も実際に講演を何回か聴いていますが、直接聴きますとすごい説得力で、反論するものが私自身にはないのが現状です。

 しかし、私としましては、きちんとした検証がされない限り、自分の言葉として牛乳については語れないのです。

 国立健康・栄養研究所は今後も公式見解は発表しないおつもりなのでしょうか?

【解答2】
 新谷弘美「病気にならない生き方」は存じ上げません。山田豊文先生は存じ上げています。

 牛乳、乳製品に関しては、公式にはカルシウムを含む良質の動物性食品です。しかし、脂肪分を多く含むことから、欧米ではローファットミルクに取って代わっています。

 そんなに身体に悪い食品が世界中に広がっているのはなぜでしょう?ときとして、牛乳は人間の飲み物ではない、とされるのはなぜでしょう?
 
 今回のご指摘は「牛乳を飲みすぎると骨粗しょう症になる」ということですね。

 ここで問題になるトリックがあります。

 一方で、牛乳は良いか悪いかといった定性的な価値観を主張しているのに対し、他方で、牛乳の飲みすぎという量の問題を取り扱っていることです。一体、ここで議論しているものは、牛乳が悪いのか、牛乳の飲みすぎが悪いのか、どちらでしょうか。

 母乳に恵まれない乳児に対する最良の代替食品が粉ミルクであることを否定する人はいないのではないでしょうか。

 では、牛乳の飲みすぎはどうでしょう。「飲みすぎ」という言葉には、すでに「良くない」という価値観が入っています。したがって、「飲みすぎは良くない」という文章は日本語として意味をなしません。どれだけの量を飲んだら、飲みすぎになるのかを考えるのが正しい方向です。

 乳児は別として、牛乳だけで生活したらどうなるか。1日2リットルの普通牛乳を飲むと、摂取するエネルギー、たんぱく質、脂質、鉄分などの摂取量はどうなるか、など、牛乳の偏食をした時に起きる栄養学的な問題と、1日200ml程度の牛乳を飲むこととを混同して議論すると、混乱が起こります。

 それでも、牛乳は悪いという定性的な価値観となりますか。【西牟田守】

【補足 2010.01.13】
 上記の新谷氏の著書には、「牛乳はヒトのための食品として作られていない」という趣旨の文章があります。これは、「ほとんど全てのものに当てはまる事実なのに特定のものだけあげつらうことによってその特定のものを差異化する」という疑似科学でしばしば用いられる手法です。母乳以外に、ヒトが食べることを目的として作られた自然界の産物など存在しません。なのに、この文章を読むと牛乳だけが特別だと思ってしまうのです。

 牛乳はヒトのために作られているわけではなく、それは大豆も同じです(毒があるので生では食べられません)。卵も肉も魚もヒトが食べるために作られるわけではありません。

 それに、この理屈で行くと、マーガリンはヒトが食べるために作られるので、矛盾が生じてしまいます(もちろん、マーガリンの原料もヒトが食べるためのものではありませんが、出来上がった製品としてのマーガリンは、原料には含まれない人工的な化合物を含みます。それは偶然ではありますが、ヒトの食べ物として加工しなければそれは生じなかったわけです)。【管理人】

■関連研究
「牛乳を飲み過ぎると貧血になる」は正しいでしょうか?
■よくある質問
牛乳が大好きで1日1ℓくらい飲みます。どれくらいから飲みすぎになるんですか?

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作成:2007/12/27 14:44:41 自動登録   更新:2010/1/13 21:12:13 自動登録   閲覧数:41985
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