基礎代謝量の算出について
■関連研究
二重標識水法により測定した健康な日本人の身体活動レベル
幼児における3次元加速度計を用いた身体活動強度の推定法
【質問1】
個人にあった基礎代謝量を算出するのに、なにか良い方法はありますか?
【解答1】
一般に、基礎代謝量=a+b×体重 といった関係式がなりたちますが、基礎代謝基準値は、単純に体重と掛け合わすことになっています。そのため現在の基礎代謝基準値は、体重が大きめの人や小さめな人で、値がずれてしまいます。
(逆に言うと、標準的な体格の人では、それほど大きくずれないようです)
残念ながら、国際的に用いられている式(上記のように切片のある式)は、日本人にはあわないようですし、ほかに日本人向きの式はなさそうです。
解決策としては、以下の2つのどちらかだとおもいます。
1、加算式をつかう
(基礎代謝基準値(kcal/kg/日)+加算値*(kcal/kg/日)×体重
*加算値(kcal/kg/日)(昭和50年改定の栄養所要量に示されたもの)
男: 10.8-0.173×体重(kg)
女: 8.9-0.172×体重(kg)
昭和50年の栄養所要量によると、これによって標準的でない体格の人の推定誤差が小さくなり、全体としては、約10%の推定誤差が約8%に減少したそうです。この程度の推定誤差は、国際的に見ても良いほうです。
2、体表面積の式をつかう
基礎代謝量は、組織・器官の重量によって決まります。
その点では、体表面積より体重のほうがよいはずなのですが、現在の基礎代謝基準値は、各個人のデータを使って、体表面積から基礎代謝を推定する式を作成し、それを体重当たりに換算して得られたものです。
そのため、体表面積からの推定式のほうが、先ほどのような問題があまり起こらず、推定誤差が小さくなります(加算値と同じくらい)。
【質問2】
やはり、体重によっても筋肉質、太りすぎなどもあるでしょうから、目安で出すのは難しいかもしれませんね。
国際的に用いられているのは「ハリス・ベネディクトの式」でしょうか。この式に日本人の体型に合わせ、0.95をかけて補正するというお話も聞きますが、田中先生はどのようにお考えですか?
また、ご提示いただいた、解答1の1、2、で、より簡便なものをお教えください。
【解答2】
1の加算値のほうが使いやすいと思います。
「ハリス・ベネディクトの式」に0.95をかけるというのは、現場で時々やられているようですね。ただ、それは「ちょっと高めに出るようだ」というだけで、十分に検討されているわけではなさそうです。そういう意味では、使いづらいと思います。
実際のところ、年齢や性別によりますが、10%以上高めに出る年齢・性別もあります。
ちなみに、国際的によく用いられる式は、1985年のWHO/FAO/UNUの式、あるいはSchofieldの式(1985)です。
これらは、ほぼ同じデータベースに基づいており、同様の結果が得られます。
「ハリス・ベネディクトの式」(1919)は、これらとデータベースが重なりますが、時々使われる程度だと思います。
【田中茂穂】
■関連研究
二重標識水法により測定した健康な日本人の身体活動レベル
幼児における3次元加速度計を用いた身体活動強度の推定法
■関連研究
二重標識水法により測定した健康な日本人の身体活動レベル
幼児における3次元加速度計を用いた身体活動強度の推定法
【質問1】
個人にあった基礎代謝量を算出するのに、なにか良い方法はありますか?
【解答1】
一般に、基礎代謝量=a+b×体重 といった関係式がなりたちますが、基礎代謝基準値は、単純に体重と掛け合わすことになっています。そのため現在の基礎代謝基準値は、体重が大きめの人や小さめな人で、値がずれてしまいます。
(逆に言うと、標準的な体格の人では、それほど大きくずれないようです)
残念ながら、国際的に用いられている式(上記のように切片のある式)は、日本人にはあわないようですし、ほかに日本人向きの式はなさそうです。
解決策としては、以下の2つのどちらかだとおもいます。
1、加算式をつかう
(基礎代謝基準値(kcal/kg/日)+加算値*(kcal/kg/日)×体重
*加算値(kcal/kg/日)(昭和50年改定の栄養所要量に示されたもの)
男: 10.8-0.173×体重(kg)
女: 8.9-0.172×体重(kg)
昭和50年の栄養所要量によると、これによって標準的でない体格の人の推定誤差が小さくなり、全体としては、約10%の推定誤差が約8%に減少したそうです。この程度の推定誤差は、国際的に見ても良いほうです。
2、体表面積の式をつかう
基礎代謝量は、組織・器官の重量によって決まります。
その点では、体表面積より体重のほうがよいはずなのですが、現在の基礎代謝基準値は、各個人のデータを使って、体表面積から基礎代謝を推定する式を作成し、それを体重当たりに換算して得られたものです。
そのため、体表面積からの推定式のほうが、先ほどのような問題があまり起こらず、推定誤差が小さくなります(加算値と同じくらい)。
【質問2】
やはり、体重によっても筋肉質、太りすぎなどもあるでしょうから、目安で出すのは難しいかもしれませんね。
国際的に用いられているのは「ハリス・ベネディクトの式」でしょうか。この式に日本人の体型に合わせ、0.95をかけて補正するというお話も聞きますが、田中先生はどのようにお考えですか?
また、ご提示いただいた、解答1の1、2、で、より簡便なものをお教えください。
【解答2】
1の加算値のほうが使いやすいと思います。
「ハリス・ベネディクトの式」に0.95をかけるというのは、現場で時々やられているようですね。ただ、それは「ちょっと高めに出るようだ」というだけで、十分に検討されているわけではなさそうです。そういう意味では、使いづらいと思います。
実際のところ、年齢や性別によりますが、10%以上高めに出る年齢・性別もあります。
ちなみに、国際的によく用いられる式は、1985年のWHO/FAO/UNUの式、あるいはSchofieldの式(1985)です。
これらは、ほぼ同じデータベースに基づいており、同様の結果が得られます。
「ハリス・ベネディクトの式」(1919)は、これらとデータベースが重なりますが、時々使われる程度だと思います。
【田中茂穂】
■関連研究
二重標識水法により測定した健康な日本人の身体活動レベル
幼児における3次元加速度計を用いた身体活動強度の推定法
投票数:9
平均点:6.67
作成:2007/12/21 16:53:30 自動登録
更新:2009/2/3 10:18:02 自動登録
閲覧数:22556
ヨガにおける呼吸とエネルギー代謝について |
スポーツ・身体活動 |
消費カロリーについて |