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Re: 食品中のタウリン含量

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報告 Re: 食品中のタウリン含量

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2008/8/13 14:27 | 最終変更
ntsubo 
残念ながら、食品中のタウリン含量に関して、現在適切な成分表はありません。

また、食品中のシステイン含量はタウリン含量の目安にはなりません。基本的に全く別のアミノ酸です。

(システインを摂取すると一部は体の中でタウリンに代謝されますが、代謝変換される効率がそれぞれのヒトで違うため、体の中でどのくらいのタウリンが作られているのかはわかりません。)

そのため、食品中のタウリンの含有量を調べるには、実際に測定するか、過去の報告を参考にするしか方法がありません。報告によって含有量は異なりますので、目安として参考程度に考えていただければ良いと思います。

かき  69.8mg/100g(文献1)、1178.1mg/100g(文献2)
シジミ 32.4mg/100g(文献2)
アサリ 421.0mg/100g(文献2)、211mg/100g(文献3)

<加熱調理とタウリン、ビタミンB12の関係>
加熱により栄養素は分解されたり、煮汁へ流出することで含有量が減少します。タウリンおよびビタミンB12は、どちらも水溶性なので、佃煮を作る際に煮汁に流出します。たとえば、ハマグリの”うしお汁”を想定して行った実験では、タウリンの30%が煮汁に流出することが報告されています(文献2)。興味深いことに揚げたり、焼いたりする調理法ではタウリンの損出は少なく、5%程度です。ビタミンB12は中性、酸性、アルカリ性、熱には安定ですが、酸素や光には不安定と考えられています。

一般的に温度が高いほど、加熱時間が長いほど損出は多くなりますが、調理方法や共存物質など条件によって異なります。佃煮の場合は、煮汁を出来るだけアサリに吸い込ませることと、加熱時間と温度を調節することで損出を抑えることができるかもしれませんが、条件によりますので実測が最も望ましいです。

参考までに私が執筆しましたタウリンの総説をご紹介しておきます。(文献4)

文献1)Roe DAら Nature 1965,16:287-288
文献2)辻啓介ら、含硫アミノ酸1984;7:249-24-55
文献3)小沢昭夫ら、日本栄養・食糧学会誌 1984;37:561-567
文献4) 笠岡(坪山)宜代ら、臨床栄養 2006;109(3):293-326

【笠岡(坪山)宜代】
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