Re: ゴボウ茶の効果について

ネット上ではゴボウ茶について良いことが記載されていますが、ゴボウをお茶として調製した時の個別成分の含有量が見当たりません。ゴボウの成分については、ある程度分析されていますが、ゴボウ茶に含まれる個別の成分量は、お茶の調製法に大きく依存、一定しない可能性があります。例えば、ゴボウ中の食物繊維は不溶性が多く、お茶として溶出するのは水溶性だけと想定されます。そもそもゴボウとゴボウ茶は同じではありません。ゴボウ茶中の良いと言われる個別の成分量がわからなければ、有効とも安全とも言えません。
ゴボウについては日本でも昔から食経験のある植物で、食物繊維を多く含むことから、便通改善などによいと言われています。しかし、Pharmacist’s Letter/Prescriber’s letter Natural Medicine Comprehensive Database（NMCD）によると、ゴボウの有効性は、現時点では信頼できる十分な情報が見当たりません。通常の食品に含まれる量で摂取する場合はおそらく安全と思われますが、過剰に摂取した場合の安全性は、信頼できる十分な情報が見当たりません。
また、ゴボウはキク科植物に過敏な人ではアレルギー反応が生じる可能性があること、海外の情報ですが、ゴボウ茶摂取による口渇やめまい、視力障害などの抗コリン性中毒の事例などが報告されています。（ゴボウ茶摂取との因果関係が疑われる健康被害の詳細は、PMID:6535850をご確認ください）。これらの有害事象は全ての人にあてはまるわけではありませんが、過敏な人では起こる可能性があるため、注意が必要です。
ゴボウやゴボウ茶を通常の食品などとして摂取する場合を除き、現時点ではその有効性や安全性については信頼できる情報が十分に得られていないものと思われます。

健康食品情報研究室スタッフ