独立行政法人 国立健康・栄養研究所
HOME
「国民栄養調査」とは
 国民栄養調査(現在の国民健康・栄養調査)の始まりは戦後の貧困状態にあった昭和20(1945)年に海外からの食糧援助を受けるための基礎資料を得る目的で連合国軍司令部(GHQ)の指令に基づく調査を実施したことに端を発している。初回の調査は昭和20年12月に東京都民6,000世帯約30,000人を対象としたものであったが、翌昭和21(1946)年からは9都市、27都道府県、4鉱山・炭坑地区および1鉄道局で実施されている。昭和23(1948)年からは全国調査となり、層別無作為抽出法により調査地区が選定された。

 調査開始当時は、栄養素の欠乏や発育不全を考慮し質問や調査が行われたほか、食品の入手方法、購入価格、世帯の職業、都市部と農村部の差なども調査している。昭和27(1952)年からは栄養改善法に規定された国民栄養調査として実施された。調査項目のうち食物摂取状況調査と身長・体重計測は初期より継続しているが、これら以外の項目は経済復興、食糧事情の改善、高度経済成長、飽食の時代の到来と国内の社会・生活環境の流れに伴い変化している。昭和31(1956)年からは血圧測定が開始されている。昭和46(1971)年には栄養欠乏に関連する項目が削除され、翌昭和47(1972)年には血色素が測定されている。昭和61(1986)年には運動、飲酒および喫煙習慣、降圧剤の服用などの問診項目が取り入れられ、平成元(1989)年からは血液検査の拡充(血液生化学と血色素)や運動量調査も加わり以降継続的に実施されている。平成7(1995)年からは比例案分法による食物摂取状況調査となり、従来の世帯単位から個人単位での摂取量を求めるようになっている。平成15(2003)年からは健康増進法に規定された国民健康・栄養調査として、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、国民の身体の状況、栄養摂取および生活習慣の状況を明らかにすることを目的として実施されている。

 なお、毎年の調査回数は昭和38(1963)年までは年4回実施されていたが、翌年からは年1回の実施となっている。また、1回あたりの調査日数も以前は3日ないしは5日間であったが、平成7(1995)年からは1日の調査となっている。
【連合国軍司令部(GHQ)の指令】    
連合国軍司令部(GHQ)の指令:日本語 (8KB)
連合国軍司令部(GHQ)の指令:英語
(8KB)