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保健指導、食事、運動、エネルギー代謝に関するQ&A集

特定検診・保健指導業務とは

Q メタボリックシンドロームの空腹時血糖の診断基準は110 mg/dlなのに、なぜ特定保健指導では100mg/dlを基準としているのですか?
A 糖尿病の予備軍を見逃さないためです。

内臓脂肪が増え、腹囲が大きくなると、空腹時血糖が「基準より少し高め」でも、動脈硬化が急速に進み、糖尿病発症を阻止できなくなる可能性が高くなります。

そのため、メタボリックシンドロームの空腹時血糖の診断基準は110mg/dl以上ですが、特定保健指導ではより厳しい「100 mg/dl以上」を基準としています(2)(3)(5)

また、日本糖尿病学会では、空腹時血糖126mg/dl以上を糖尿病型、110mg/dl以上125mg/dl以下を境界型、110mg/dl未満を正常範囲としていましたが、2008年6月に、空腹時血糖の正常範囲のうち、100mg/dl以上109mg/dl以下を「正常高値」とすることを公表しました(4)。

これは、日本人を対象とした新しい研究データから、空腹時血糖が従来の正常範囲である「110mg/dl未満」でも、100mg/dl以上の群では、100mg/dl未満の群に比べ、糖尿病への移行率が約2倍高かったという結果が得られた(4)ことを受けての措置と考えられます。

これにより、今後糖尿病の予備軍の見逃しが少なくなることが期待されます。

2011年4月5日更新