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保健指導、食事、運動、エネルギー代謝に関するQ&A集

調理の工夫

Q 油脂を控える方法はありますか?
A 調理の工夫次第です

 気を付けなければ摂り過ぎてしまう「油」や「脂」。
フライドポテトやまぐろのトロがおいしいのも、この「油」と 「脂」のおかげです。しかし、油脂は1gあたり9kcalと、とても高エネルギーです。以下の例を参考に、上手に油脂を控えましょう。

調理器具
 フライパンを使った炒め物でも、使うフライパンによって必要な油の量は変わります。
例えば、100g野菜炒めを作るとき、油がなじんだフライパンならば5gの油で済みますが、油がなじんでいないフライパンだと8gの油が必要です。また、フッ素加工されたフライパンなら、2gの油で100gの野菜を炒めることが出来ます。

調理法
 油の使用量は調理法によって変わります。「揚げ物」「炒め物」よりも「煮物」「焼き物」「蒸し物」のほうが少ない油で調理できます。また、調理する前に茹でたり、電子レンジで火を通すと、油を使う量が少なくなります。

使用する部位
 同じ食材でも、部位によってエネルギーは異なります。例えば、豚肉60gの部位ごとのエネルギーを比較してみると、ヒレ(69kcal)<脂身なしもも(89kcal)<脂身付きロース(158kcal)<バラ(232kcal)と大きな差があります。

下ごしらえ
下ごしらえに少し手を加えると、油脂を控えることができます。例えば、脂身付きの豚ロース肉を調理する際、脂身の部分を切り落とせば約50%のエネルギーをカットできます。鶏肉は皮をはぐと50〜60%のエネルギーをカットできます。
また、油揚げや生揚げ(厚揚げ)などを「油抜き(熱湯をかけたり茹でること)」するとエネルギーを控えることができます(13)(14)(22)。 

切り方による吸油率の違い
 切り方によって食材が油を吸う量(吸油率)は変わります。小さく切ったり、細く切ったりして表面積が大きくなれば、その分、油に触れる面積も広くなり吸油率も高くなります。

 じゃがいもを例にとると、皮付きのまま4つ切り程度に大きく切ったときの吸油率は2%ですが、皮をむき、細い千切りにしたときの吸油率は19%にもなります。 

衣による吸油率の違い
 揚げ物も衣によって吸油率は変わります。例えば、40gのエビを例にとってみましょう。

 ソテー(50kcal)<からあげ(60kcal)<天ぷら(110kcal)<フライ(120kcal)と、衣が厚くなるのにしたがい吸油率も高くなります。 また、フライに使用するパン粉も、目の細かいパン粉<目が粗いパン粉<生パン粉の順で吸油率が高くなります。

味付け
 サラダなどを食べる場合、ノンオイルのドレッシングやエネルギーを抑えたマヨネーズやドレッシングを使用することで、油を控えることが出来ます。手作りする場合は、酢やかんきつ類の酸味を利用すると油の使用量を抑えられます。

2011年4月5日更新