保健指導、食事、運動、エネルギー代謝に関するQ&A集
エネルギー代謝
Q
安静時および運動時の糖質・脂質の利用比率を教えてください。
私の認識では、安静時や歩行のようなゆっくりとした運動で、糖:脂質がそれぞれおおよそ6:4。呼吸からみてもこの程度だと思っていたのですが、最近、25%Vo2max 強度で脂質利用比率が85%と書いてあるものをみました。
また、利用比率の個体差はどの程度あるのでしょうか?
私の認識では、安静時や歩行のようなゆっくりとした運動で、糖:脂質がそれぞれおおよそ6:4。呼吸からみてもこの程度だと思っていたのですが、最近、25%Vo2max 強度で脂質利用比率が85%と書いてあるものをみました。
また、利用比率の個体差はどの程度あるのでしょうか?
A
この論文は、以下のHPで全文 (PDFも可) を見ることができますので、もしまだでしたら、是非ご覧ください。
https://ajpendo.physiology.org/cgi/content/short/265/3/E380
この論文の特徴は、安定同位体を用いて、エネルギー源の由来を調べようとしたことにあります。個人差については、この論文中をみると、ある程度の参考になるとは思います。
ただし、
ただ、この論文の方法論における問題点 (=おかしな値であるとすれば、それが得られた理由) については、現時点では分かりません。
個人的には、「それぞれの強度における絶対的な割合 (脂肪が85%?)」をみるよりは、「強度や経時変化によって、エネルギー源がどのように変わるか」に関して参考になる論文ではないかと考えています。
申し訳ありませんが、ご質問の点について、もう少しきちんとわかったら、改めてお伝えしたいと思います。【田中茂穂】
- 出てくる数値(25%Vo2max)や、
- 日本の文献でよく紹介されている論文
この論文は、以下のHPで全文 (PDFも可) を見ることができますので、もしまだでしたら、是非ご覧ください。
https://ajpendo.physiology.org/cgi/content/short/265/3/E380
この論文の特徴は、安定同位体を用いて、エネルギー源の由来を調べようとしたことにあります。個人差については、この論文中をみると、ある程度の参考になるとは思います。
ただし、
- 5人の日常的に鍛えられた人が対象となっていること
- バラツキの指標は、SD (標準偏差) ではなく、SE (標準誤差=標準偏差÷v (人数))で表示されていることにご注意ください。
- 一日全体のエネルギー基質 (エネルギー源) の割合は、食べ物から摂り入れたエネルギーの割合 (たんぱく質:約15%、糖質:45〜65%、脂質:20〜40%程度) とほぼ一致すること
- 一般に、安静時を含め、活動の強度が強いほど脂質の割合が少なくなる (=糖質の割合が多くなること)
- 一日の中で、25%Vo2max を超える強度の時間はそれほど多くないこと
ただ、この論文の方法論における問題点 (=おかしな値であるとすれば、それが得られた理由) については、現時点では分かりません。
個人的には、「それぞれの強度における絶対的な割合 (脂肪が85%?)」をみるよりは、「強度や経時変化によって、エネルギー源がどのように変わるか」に関して参考になる論文ではないかと考えています。
申し訳ありませんが、ご質問の点について、もう少しきちんとわかったら、改めてお伝えしたいと思います。【田中茂穂】
2011年4月5日更新