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国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

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難治性疾患研究プロジェクト

1.主要メンバー

プロジェクトリーダー

水上 裕輔

研究員 (公募中)
特任研究員 伊藤 泰斗
連携大学院生  
客員研究員 小野 裕介、高橋 賢治、大森 優子、唐崎 秀則

 

2.研究目的・背景

当研究室は、難病・免疫ゲノム研究センター内に設置されており、膵胆道がんをはじめとする難治性がんの発がん初期および進展期における生物学的現象を解明し、患者還元型・臨床指向型の創薬研究を推進することを目的としています。私たちの強みである分子病理学的な解析プラットフォームを駆使し、ヒト臨床検体を用いて発がんの基盤を探ることで、将来的には高危険群を対象としたサーベイランスや超早期診断の開発、新規治療標的の特定、発がん予防への応用を目指しています。

詳しい内容については、こちらをご覧ください。

3.研究内容

Section.1 高次形態的解析プラットフォームの構築

がんの発生と進化のメカニズムを理解するには、形態学と分子異常の統合的な情報が不可欠です。当研究室では、腫瘍の部位ごとの遺伝子変異や発現に関する高精度なデータと、ミクロおよびマクロの形態情報を組み合わせて解析し、「がんの芽」がどのように発生し、悪性度を増していくのか、そのプロセスの解明を目指しています。

ヒト病理標本の多様な解析に加え、生きた組織や細胞試料を用いた発がんモデルを構築し、早期診断やサーベイランスにおける課題を明確にし、その解決に向けた診断マーカーの特定に取り組んでいます。また、さまざまな遺伝子異常を持つがん細胞がどのように悪性度の高い病変へと進化していくのかを探り、得られた知見を臨床へ還元することを目指しています。

さらに、早期発がんに影響を及ぼす新規の構造変異を明らかにするため、長鎖シーケンシングや全ゲノムマッピング技術を用いた解析を予定しています。これにより、従来のシーケンシング技術では検出が難しかった長鎖の遺伝子変異や構造的な異常を高精度で捉え、がんの初期段階における分子変化を詳細に解明することで、新たな診断マーカーや治療標的の発見に繋げていきます。

Section.2 個別化された発がん基盤の解明と創薬研究

ヒト臨床検体および遺伝子改変マウスや患者由来異種移植片(patient-derived xenograft)を用いた動物モデルを比較しながら、臨床応用に直結するがん微小環境の解析系の構築、バイオマーカーの探索、新たな予防法や治療法の確立を目指しています。研究の主軸は、がん関連遺伝子異常の解明と発がん基盤の探究、特に強力ながん遺伝子であるKRAS変異が腫瘍免疫にどのように作用するのかを明らかにすることにあります。

また、日本人約10万人を追跡した研究において、大腸がん、肝がん、膵がんにおいて運動ががん発生リスクを低減させることが示されており、他のがんにおいてもリスク低下の効果が国際的な調査によって示されています。私たちは「骨格筋から発がんを抑制する物質が分泌されているのではないか?」との仮説に基づき、骨格筋由来の発がん抑制物質の同定と、それを基にした創薬研究を進めています。骨格筋由来物質は人体内で生成されるものであり、そのメカニズムを模倣して創薬化が実現すれば、副作用の少ない治療薬の開発に繋がる可能性があります。

難治性疾患研究プロジェクト

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