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お知らせ

希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業で支援しているオーファンドラッグ1件、オーファンデバイス1件が医薬品、医療機器の承認を受けました!!

2014年2月20日

 独立行政法人医薬基盤研究所(大阪府茨木市、以下「基盤研」という。)では設立当初(平成17年4月)から、オーファンドラッグやオーファンデバイス※1を対象とした「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業」※2を行ってまいりましたが、この度、同事業で支援したオーファンドラッグ1件、オーファンデバイス1件が厚生労働大臣から医薬品としての承認(薬事法の製造販売承認)を受けましたので、お知らせいたします。

1件目(オーファンデバイス)
〇販売名 PDレーザ BT
〇一般名 PDT半導体レーザ
〇承認日 平成25年9月20日
〇使用目的、効能又は効果
 本医療機器は、光感受性物質タラポルフィンナトリウム製剤とともに使用し、悪性脳腫瘍※3の治療に用いる。
〇製造販売業者
 パナソニック ヘルスケア株式会社
〇希少疾病用医療機器の指定日、指定番号、名称(厚生労働省)
 平成20年12月15日 (20機)第16号 PDT半導体レーザ※4
 平成25年9月19日 (25機)第24号 PDT半導体レーザ※4
〇基盤研による支援(助成金交付年度) 平成20年度※4

2件目(オーファンドラッグ)
〇販売名 サイスタダン原末
〇一般名 ベタイン
〇承認日 平成26年1月17日
〇効能又は効果
 ホモシスチン尿症※5
〇製造販売業者
 株式会社レクメド
〇希少疾病用医薬品の指定日、指定番号、名称(厚生労働省)
 平成24年3月19日 (24薬)第264号 無水ベタイン
〇基盤研による支援(助成金交付年度) 平成24年度


※1 オーファンドラッグ、オーファンデバイスとは
 難治性疾患やエイズ等の医薬品、植込み型補助人工心臓等の医療機器は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことから研究開発投資の回収が困難なため、開発がなかなか進まないのが現状です。このような医薬品、医療機器をオーファンドラッグ、オーファンデバイスと呼びます。

※2 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業とは
 基盤研では厚生労働大臣から「希少疾病用医薬品」又は「希少疾病用医療機器」の指定を受けたオーファンドラッグ、オーファンデバイスの開発企業を対象に次の開発振興事業を実施しています。
(1)助成金交付
 指定を受けた開発企業の助成金交付申請に対し、その試験研究に必要な経費に充てるための助成金を交付しています。毎年度10数品目に対して助成しておりますが、平成24年度は21件に助成しました(助成金総額:約8.8億円)。
(2)指導・助言
 指定を受けた開発企業からの試験研究等に係る相談に対して、厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構と連携して、創薬に関する研究経験を有する研究課題管理者(プログラムオフィサー)らによる指導・助言を行っています。
(3)認定
 助成金の交付を受けた開発企業が税制上の優遇措置を受けるための証明書を発行しています。

※3 悪性脳腫瘍について
 脳腫瘍全国統計データによると原発性脳腫瘍の21%が悪性脳腫瘍であるとされています。悪性脳腫瘍の治療は、手術による腫瘍摘出を基本とし、術後の放射線化学療法を組み合わせた集学的治療が一般的です。しかし、正常脳組織への浸潤性発育を特長とする悪性脳腫瘍の場合、言語野や運動野等の重要機能温存のため腫瘍摘出範囲の制限を受けることが多く、いかにして腫瘍細胞だけに選択的にダメージを与えるかが課題とされ、医療現場からはさらなる治療効果の向上が望まれています。
 厚生労働省の統計情報である「平成23 年(2011 年)患者調査」によると、悪性脳腫瘍の患者数は7,000人です。
(注釈)
 原発性脳腫瘍 :脳組織自体から発生する脳腫瘍
 放射線化学療法:放射線と抗がん剤による治療のこと。
 集学的治療  :複数の治療法を組み合わせて行うこと。
 浸潤性発育  :腫瘍と正常組織の境界がはっきりせず、腫瘍が周囲の正常組織内にまで増殖する状態。

※4 希少疾病用医療機器の指定番号が2個ある理由等
 平成20年12月15日に(20機)第16号として指定を受けた際の「予定される使用目的、効能又は効果」は「本医療機器は光感受性物質タラポルフィンナトリウム製剤とともに使用し、悪性神経膠腫※4の治療に用いる。」で、基盤研から平成20年度に助成金を交付しました。その後、開発の進展に伴い、対象疾患が拡大され、「予定される使用目的、効能又は効果」が「本医療機器は。光感受性物質タラポルフィンナトリウム製剤とともに使用し、悪性脳腫瘍の治療に用いる」に見直され、指定の付け替えが平成25年9月19日に行われたためです。

※5 ホモシスチン尿症
 先天的な遺伝子の異常により、ホモシステイン及びホモシスチンが体内に蓄積し、尿中へ大量のホモシスチンが排出される疾患です。出生直後のマススクリーニングの対象となっており、十分な治療が施されない場合、知能障害、骨格筋異常、眼の異常などの臨床症状が引き起こされます。また、血漿中総ホモシステインのコントロールが不良の場合は、血栓症や塞栓症により死亡するリスクが高まるとされています。
日本では、本疾患の治療は主に食事療法で行われており、これまで、本疾患の治療薬として承認された薬剤はありませんでした。なお、欧米ではホモシスチン尿症の治療剤として、既に承認・販売されています。

【ここまでの支援実績】
 なお、今回の承認により、基盤研の希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業によるこれまでの支援実績は以下のようになります。(平成26年2月13日現在)
□希少疾病用医薬品に指定されたオーファンドラッグ:327品目
希少疾病用医療機器に指定されたオーファンデバイス:24品目
■そのうち、基盤研の「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業」で助成金の交付を受けた希少疾病用医薬品:164品目
同じく助成金の交付を受けた希少疾病用医療機器:14品目
■このうち、承認を取得した希少疾病用医薬品:96品目
同じく承認を取得した希少疾病用医療機器:7品目

本件に係る照会先
独立行政法人医薬基盤研究
研究振興部開発振興課
大阪府茨木市彩都あさぎ7-6-8
電話:072-641-9804  E-Mail:kisho-ph@nibio.go.jp

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