HOME › お知らせ › 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業で支援したオーファンドラッグが医薬品の承認を受けました!!―ポテリジオ点滴静注20mg―

お知らせ

希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業で支援したオーファンドラッグが医薬品の承認を受けました!!―ポテリジオ点滴静注20mg―

2012年3月30日

 独立行政法人医薬基盤研究所(大阪府茨木市、以下「基盤研」という。)では、設立当初(平成17年4月)より、オーファンドラッグやオーファンデバイス※1を対象とした「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業」※2を行ってまいりましたが、この度、同事業で支援したオーファンドラッグ1件が厚生労働大臣から医薬品としての承認(薬事法の製造販売承認)を受けましたので、お知らせいたします。

○販売名 ポテリジオ点滴静注20mg
○一般名 モガムリズマブ(遺伝子組換え)
○承認日 平成24年3月30日
○効能・効果
 再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫※3
○製造販売業者 協和発酵キリン株式会社
○希少疾病用医薬品の指定番号(厚生労働省)
 (22薬)第232号(平成22年8月11日指定)
○指定時の名称 KW-0761
○基盤研による助成金交付年度 平成22年度

※1 オーファンドラッグ、オーファンデバイスとは
 難治性疾患やエイズ等の医薬品、植込み型補助人工心臓等の医療機器は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことから研究開発投資の回収が困難なため、開発がなかなか進まないのが現状です。このような医薬品、医療機器をオーファンドラッグ、オーファンデバイスと呼びます。

※2 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業とは
 基盤研では厚生労働大臣から「希少疾病用医薬品」又は「希少疾病用医療機器」の指定を受けたオーファンドラッグ、オーファンデバイスの開発企業を対象に以下の開発振興事業を実施しています。
① 助成金交付
 指定を受けた開発企業の助成金交付申請に対し、その試験研究に必要な経費に充てるための助成金を交付しています。
 毎年度10数品目に対して助成、平成23年度は12件に助成しました(助成金総額:約6.3億円)。 
② 指導・助言
 指定を受けた開発企業からの試験研究等に係る相談に対して、厚生労働省や(独)医薬品医療機器総合機構と連携して、創薬に関する研究経験を有する研究課題管理者(プログラムオフィサー)らによる指導・助言を行っています。
③ 認定
 助成金の交付を受けた開発企業が税制上の優遇措置を受けるための証明書を発行しています。

※3 再発性または難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫とは
 成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)はレトロウィルスHTLV-Ⅰ感染を原因とする末梢性T細胞リンパ腫の一種で、末梢血の異常リンパ球増加、リンパ節腫脹又は皮疹等の節外性病変を認める疾患です。また、ATL患者さんの多くに腫瘍細胞上にCC chemokine receptor(CCR)4の発現が認められます。
 治療には、これまでも抗がん剤を複数併用する化学療法(mLSG15療法等)が用いられていますが、今回はその化学療法では、効き目が十分でない、又は再発した患者さんに使用するという目的で製造販売承認に至りました。
 なお、ATLと診断されて初めての治療を受ける場合において、mLSG15療法と併用する方法の開発が並行して進められていて、基盤研も支援しています。


【ここまでの支援実績】
 なお、今回の承認により、基盤研の希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器開発振興事業によるこれまでの支援実績としては以下のようになります。(平成24年3月30日現在)

■指定されたオーファンドラッグ、オーファンデバイス       :285品目
(希少疾病用医薬品262品目、希少疾病用医療機器23品目)
■そのうち、基盤研の「希少疾病用医薬品等開発振興事業」で
助成金の交付を受けたもの:151品目
(希少疾病用医薬品139品目、希少疾病用医療機器12品目)
■このうち、承認取得したオーファンドラッグ、オーファンデバイス  :93品目

一覧へ戻る

このページの先頭へ