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お知らせ

乳がん発症目印たんぱく質を発見(日本経済新聞 2010/9/6)

2010年9月 9日

 独立行政法人医薬基盤研究所バイオ創薬プロジェクト・チーフプロジェクトリーダー堤 康央(兼 大阪大学大学院薬学研究科 教授)らの研究チームは、乳 がんの新たな診断マーカー・創薬標的として有望なたんぱく質を同定し、そのことが9月6日の日本経済新聞に報道されましたのでお知らせします。

  女性に生じるがんのうち、患者数、死亡数ともに上位にある乳がんの克服は、重要課題です。最近では、乳がん特異的に発現する分子(Her-2)を標的とし たバイオ医薬(抗体医薬)などが開発され、良好な治療効果を発揮していますが、乳がん患者の約7割はHer-2を発現していないため、従来薬しか適用する ことができません。そのため、Her-2が発現していない患者に対する有効な治療法の開発に向けて、新たな乳がん関連分子の同定が待望されています。
  バイオ創薬プロジェクトでは、これまでに有用な疾患関連たんぱく質を効率よく絞り込むことを可能とする独自の技術「抗体プロテオミクス技術」を開発してき ました。この技術を用いて乳がんの新たな創薬標的分子の探索を試みたところ、ephrin receptor A10 (EphA10)を見出すことに成功しました。
 このEphA10分子は、乳がんの増殖や転移に関わること、Her-2が発現していない乳がん症例にも高頻度に発現しており、新たなバイオ医薬、あるいは診断薬の開発につながるものと期待されます。

研究の概要

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