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栄養調査関連論文集
1  データベース・食品成分表
                             

液状食品100mlの成分表 ‐五訂成分表収載食品について‐

目的 五訂食品標準成分表の成分値は可食部100g当たりの値で示されている。しかし、液体食品の正確な栄養計算は、重量ではなく容量を用いて計量する必要があるため、成分表収載値をそのまま用いることは出来ない。そこで100ml成分表を作成し、五訂成分表(100g成分表)値との成分値の相違を検討した。
方法 五訂成分表収載食品のうち、備考欄に100gに対応するmlが示されている食品(乳類:12食品、アルコール飲料類:32食品、調味料類:6食品、計:50食品)について、収載値に“100mlに対応するg/100=比重”を乗じ算出した。また、(財)全国調味料・野菜飲料検査協会調査資料に基づく食品(野菜飲料類:5食品、調味料類:3食品)については、五訂成分表収載食品の収載値100gに比重を乗じて100ml当たりの成分値を算出し、参考値として示した。
結果 100ml成分表として、上記記載の58食品を示す。100mlの重量およびすべての成分が五訂成分表(100g成分表)を上回った食品は、野菜飲料類、乳類および調味料類の全食品、アルコールでは醸造酒類のビール、発泡酒、ぶどう酒ロゼおよび紹興酒、ベルモット辛口タイプを除く混成酒類、すなわちアルコール飲料類の半数、合計42食品であった。野菜飲料類、アルコール飲料類16食品、調味料類の重量および成分の平均重量は、各々五訂成分表(100g成分表)値の1.06倍、1.05倍および1.19倍であり、これらは約5%の増加に過ぎないことがわかった。100mlの重量および成分が五訂成分表(100g成分表)を下回った食品は、蒸留酒の全食品、ビール、発泡酒、ぶどう酒ロゼおよび紹興酒、ベルモットの計16食品であった。重量および成分の平均値は、五訂成分表(100g成分表)値の0.97倍であった。したがって、これらの食品を容量で計量し、栄養計算を重量で行えば、実摂取栄養量を上回る値が算出されることがわかった(→表) 。
結論 両成分表では、数値に相違がみられることが明らかになり、栄養計算に当たり、液状食品については、本100ml成分表を用いれば、容量から重量への換算漏れや、換算時の有効数字の取り扱いによる情報量の減少などを防ぐことが可能になる。
出典 栄養学雑誌 2001;59(4):197-202.
著者、
所属
渡邉智子、鈴木亜夕帆、西牟田守

〔要約作成者:草間かおる〕

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