2022.7.13
, EurekAlert より:
脂肪分の多い食事は、脳に大混乱をもたらすかもしれない。高脂肪食の摂取により、糖尿病発症に加えて精神状態やアルツハイマーなど認知機能の悪化がみられるようになったという。南オーストラリア大学による動物実験から。
本研究では、高脂肪食を30週間与えたマウスは糖尿病の発症や、後に不安の発症や抑うつ状態、アルツハイマーの悪化を含む認知機能の低下との間に明確な関連性がみとめられたという。
認知機能障害のあるマウスは、脳の変化によって引き起こされる代謝不良によって、過度に体重が増える可能性も高くなった。
研究グループのボブロブスカヤ准教授は本研究により、慢性肥満と糖尿病を、アルツハイマーと結び付ける証拠が増えたと述べている。
「肥満と糖尿病は中枢神経系を損ない、精神障害と認知機能低下を悪化させます。私たちはマウスを使った研究でこれを実証しました」。
この研究はマウスが8週齢の時点で開始し、30週間、標準食または高脂肪食にランダムに割り当てた。食物摂取量、体重および血糖をモニタリングするとともに、ブドウ糖負荷試験および認知機能障害の調査も行った。
すると、高脂肪食を与えられたマウスは、標準食を摂取していたマウスと比較して、体重が増え、インスリン抵抗性を示し、異常行動がみられるようになった。
遺伝子組み換えによるアルツハイマーのモデルマウスにおいては、高脂肪食の摂取期間に認知の著しい悪化と脳の病理学的変化を示した。
「肥満の人はうつ病を発症するリスクが約55%上昇し、糖尿病はそのリスクを2倍にします」とボブロブスカヤ准教授。
「私たちの調査結果は、世界的な肥満の蔓延に対処することの重要性を強調しています。肥満、年齢、糖尿病の組み合わせは、認知能力の低下、アルツハイマー、その他の精神障害につながる可能性が非常に高いのです。」
出典は『代謝性脳疾患』。 (論文要旨)
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