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[休養]  ストレス後に不安を和らげるニューロンを発見
2022.7.6 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

ストレスを受けると、特定のニューロンのはたらきにより睡眠のレベルを高め、ストレスホルモンの過剰な分泌を抑えることにより不安感を和らげることが動物実験により明らかに。このニューロンを標的にすることで、ストレス障害の治療に役立つかもしれないという。英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究。

哺乳類どうしの睡眠は似ているため、同様のメカニズムが人間の脳でも起こっている可能性がある。

ストレスは私たちを眠れなくさせると思いがちだが、ある種のストレスは実際には睡眠を誘発するようだ。インペリアル・カレッジ・ロンドンなどの研究グループは、マウスを用いた実験により、ストレスによって睡眠がどのように誘発されるのかや、睡眠が翌日の不安レベルを下げるようであることを発見した。

人間を含むすべての哺乳動物の睡眠には、主に2つのタイプがある。レム睡眠(浅い睡眠で夢を見やすく、急速な眼球運動を伴う)とノンレム睡眠(より深い睡眠で夢は見ない)だ。PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ人々はレム睡眠が少なくなることから、レム睡眠は困難な感情やストレスを処理する働きがあると考えられている。

主任研究者のウィスデン教授は、今回の結果はレム睡眠がストレスの処理に役立っているという考えを支持するものだとしながら、これまでレム睡眠については、薬の副作用などで減ることはわかっていても、増やす方法については不明であったとしている。

「このたび私たちの研究は、レム睡眠が誘発されるメカニズムを解明し、適切なニューロンを標的とし、睡眠のストレス解消力を高める薬または他の介入法への道を開いたのです。」

今回のマウスの実験では、人間のいじめを模倣した「社会的敗北」と呼ばれる一種の心理社会的ストレスをマウスに与えた。マウスを特に攻撃的な別のマウスと一緒に過ごさせた。ただし身体的危害は加えられないようにした。するとマウスの血中に「闘争・逃避」に関連するホルモンが上昇し、ストレスを受けていることが示された。

その後、マウスが眠った際に、のニューロン(脳細胞)の活動を調べた。すると、ストレスホルモンレベルを感知して反応し、ノンレム睡眠とレム睡眠の両方を高める特定のニューロンが明らかになった。

これらのニューロンの活動、およノンレム睡眠・レム睡眠のレベルは、約5時間の睡眠中、高いままであった。その間、ストレスホルモンを調節する他のニューロンにも信号を送り、さらなる放出を抑えた。

このようにして、新たに発見されたニューロンは、ストレスを検出し、結果として睡眠を誘発しただけでなく、ストレスホルモンの低下も引き起こした。

マウスの覚醒後に不安反応をテストし、睡眠がストレス行動にどのように影響したかを調べた。すると、同じようにストレスを受けながらも人為的に睡眠不足にさせられたマウスや、前述のニューロンを欠損したマウスに比べてストレスホルモンのレベルが低く、落ち着いた行動をとっていたという。

研究グループは今回の発見を応用し、特定のニューロンを標的にして、それらの役立つ効果を睡眠を介して高める方法を見つけたいとしている。

出典は『サイエンス』。 (論文要旨)      
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