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[女性]  女性は貢献の割に著者にクレジットされる可能性が低い?
2022.6.30 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

科学研究において女性は、男性よりも自分の仕事に対して著者のクレジットを受ける可能性が低いことが、革新的な新しい研究で明らかになった、という米国ニューヨーク大学からの研究報告。『ネイチャー』誌に掲載された。

研究チームは初めて、複数の大学からの大量の管理データを使用して、さまざまな研究プロジェクトに誰が関与したかを正確に明らかにしたという。データは、科学雑誌に掲載された特許や論文の著者情報にリンクされており、個々のプロジェクトに携わった人が特許や雑誌でクレジットされたかどうかを確認できた。

「女性と男性が出版物の共著者として指名される率の間には明らかなギャップがあります」と共著者でニューヨーク大学のジュリア・レーン教授は述べている。「ギャップは強く、永続的であり、研究分野から独立しています。」

そして、別のさらに大きなギャップがあったという。

女性は、プロジェクトに関連する特許で男性のように名前が入る可能性がほとんどなかったという。すべての因子を調整しても59%のギャップがみられた。

この研究の鍵となった管理データは、2013年から2016年までの52の大学のスポンサー付き研究プロジェクトに関する詳細情報が含まれており、教員、大学院生、ポスドク研究者、研究スタッフ、学部生など、9,778の研究チームで働いた128,859人の情報が含まれていた。

「私たちは長い間、女性が男性よりも低い割合で出版し、特許を取得していることを知っていました」とレーン教授は述べている。「しかし、以前のデータでは誰が研究に参加したかが示されていなかったため、誰もその理由を知りませんでした。DNAの二重らせん構造を正しく示したにもかかわらず、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによって『ネイチャー』誌の共著者を拒否されたロザリンド・フランクリンのような有名な逸話はありましたが、証拠はありませんでした。」

本研究は、すべてのポジションレベルで、女性は男性よりもクレジットを得る可能性が低いことを示している。ギャップは彼らのキャリアの初期段階で特に明白だったという。たとえば、100人の男性の大学院生のうち21人と比較して、100人の女性の大学院生のうち15人だけが論文の著者として指名されていた。

女性が多数派である分野(健康など)から少数派である分野(工学など)まで、すべての科学分野で、女性がクレジットを得る可能性は低かったという。

結果は、科学者が「影響力の大きい」論文と見なすものについては、女性が著者としてリストされる可能性がさらに低いことを示している。

「これはロザリンド・フランクリンの逸話と一致しています」とレーン教授は言う。「帰属のギャップは、科学における女性のキャリアの見通しに明らかに悪影響を及ぼします。若い女性が科学をキャリアとして追求することを思いとどまらせるのではないかと心配しています。」

研究のための補足的なデータソースが結果を補強している。2,400人を超える科学者を対象にした調査では、女性やその他の歴史的に疎外されてきたグループは、科学的貢献が認められるために、かなり多くの努力を払わなければならないことがよくある。調査の回答者のひとりは、「女性であることで、科学に何らかの形で貢献することが非常に多くても、叫んだり、強い主張をしたりしない限り、貢献が過小評価されることがよくあります」と述べている。

調査結果によると、男性の38%と比較して、女性の43%が、自分が寄稿した科学論文からクレジットを除外されたと述べている。また、女性は男性よりも、他の人が自分の貢献を過小評価しており、差別、固定観念、偏見に直面していると報告する傾向があった。

本研究は、長く観察されてきたジェンダーギャップの原因に新たな洞察をもたらすだけでなく、科学の組織への洞察をもたらす新しいインフラストラクチャーのショウケースである。

この新しいインフラストラクチャーは、しばしば見えない存在である者ら(特に若手研究者)の寄与をとらえることによって科学の組織の新たな洞察を可能にするものだという。本研究は、軍事分析者は、見えないデータ(飛行機がクラッシュした原因を完全に理解するためには、戦闘から帰らなかった飛行機を、帰った飛行機より重視すべき)を使うべきである、という生存者バイアスの研究の科学的伝統に位置するものだという。レーン教授らは、これまでに見えなかった寄与者に関する新しいデータを使用して、公開された業績に表示されていない科学者を特定し、帰属の体系的な違いを文書化する方法を示した。

出典は『ネイチャー』。 (論文要旨)      
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