2022.6.17
, EurekAlert より:
血中のDHA濃度が高い人は、低い人に比べてアルツハイマー型認知症の発症リスクが49%低いことが示された。また、特に遺伝的にアルツハイマー発症リスクの高い人においてはDHAが豊富な食事によって病気の発症を遅らせることのできる可能性が示唆された。米・脂肪酸研究所の研究。
この研究は、65歳以上の認知症のない1490人の参加者を含む「フラミンガム子孫コホート」の一環として実施された前向き観察研究で、研究者は赤血球におけるドコサヘキサエン酸(DHA)の量とアルツハイマー発症との関連を調べた。また、アルツハイマーのリスクとなる遺伝子APOE-ε4保有の有無との相互作用についても確認した。
DHA濃度により参加者を5群に分けて比較した結果、最も濃度の高かった群(6.1%以上)でのアルツハイマー発症リスクは、濃度が最低の群(3.8%未満)と比較して49%低かったほか、アルツハイマー発症までの期間を4.7年引き延ばすことができると推計された。
さらに、研究者らは、DHAの摂取量の増加は、特にAPOE-ε4遺伝子を保有する高リスクの人において、アルツハイマーを発症するリスクを低下させる可能性があることを指摘している。また、高いDHAレベルを保持することにより、APOE-ε4遺伝子の非保有者に比べてより多くの利益を得る可能性があることが示唆されたという。
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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