2022.5.24
, EurekAlert より:
テレビを見る時間と、冠動脈性心疾患のリスクには関連がみられ、1日1時間未満である人はリスクが11%少ないことが明らかに。この関連は、遺伝的条件やその他の危険因子とは無関係にみられたという。英ケンブリッジ大学などの研究。
英国心臓財団によると、冠動脈性心疾患は英国の主要な死因の1つであり、毎年約64,000人が死亡している。英国では、男性の8人に1人、女性の15人に1人がこの病気で亡くなっている。冠動脈性心疾患の人は脳卒中を起こす可能性が2倍になる。
冠動脈性心疾患の主な危険因子の1つは座りがちな行動である。テレビ視聴や余暇のコンピューター使用などのスクリーン中心の座りがちな行動に費やされた時間、個人のDNA、および冠動脈性心疾患のリスクとの関連を調べるために、研究者は50万人を超える成人が約12年間追跡調査されている英国バイオバンクのデータを調べた。
研究チームは、各個人の多遺伝子リスクスコアを作成した。これは冠動脈性心疾患の発症に影響する可能性のある300の遺伝子変異に基づいている。予想通り、多遺伝子リスクスコアが高い人は、疾患を発症するリスクが最も高かった。
1日4時間以上テレビを見た人は、多遺伝子リスクスコアに関係なく、この疾患のリスクが最も高かった。これらの個人と比較して、1日に2-3時間のテレビを見た人は発症率が6%低く、1時間未満の人は16%低かった。これらの関連は、遺伝的感受性および他の既知のリスク因子とは無関係だった。
コンピューターを使用する余暇時間は、疾患のリスクに影響を与えないようだったという。
「私たちの研究は、テレビ視聴を制限することが冠動脈性心疾患を予防する潜在的な可能性についてのユニークな洞察を提供します」と、香港大学の助教授であり研究の責任著者であるMRC疫学ユニットの客員研究員であるヤンヲン・キム博士は述べた。「1日1時間未満のテレビ視聴者は、遺伝的リスクとは関係なく、この疾患を発症する可能性が低くなりました。」
「テレビを見ている時間を制限することは、特に冠動脈性心疾患の遺伝的素因のある個人がリスクを管理するのに役立つ、有用で比較的手軽な生活習慣改善かもしれません。」
出典は『BMC医学』。 (論文要旨)
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