2022.5.20
, EurekAlert より:
運動はマウスの運動領域におけるドーパミンシグナル伝達を増加させるようだ、という米国ニューヨーク大学からの研究報告。
運動することで気分を改善し、記憶を研ぎ澄まし、認知機能の低下を防ぐことができる。運動はパーキンソン病の人々の運動行動を改善することもあるが、正確なメカニズムはわかっていない。
1つの可能性は、病気が進行するにつれて低下する運動および感情の制御に必要な神経伝達物質であるドーパミンの増加によるものである。
今回研究チームは、自発的なホイールランニングまたは非活動の30日後のマウスにおけるドーパミンシグナル伝達を比較した。
ランナーマウスでは、線条体(運動野)でのドーパミン放出が電気刺激に反応して増加したが、座りがちなマウスでは変化がなかった。ドーパミン放出の増加は、運動が終了してから1週間後も残っていた。
研究者らはまた、活動的なマウスの線条体において、ニューロンの健康に関与するタンパク質である脳由来神経栄養因子(BDNF)のレベルの上昇を測定した。
研究者らがBDNFを欠く遺伝子マウスモデルで実験を繰り返したとき、活動的なマウスと座りがちなマウスの間でドーパミン放出に差はなく、BDNFがドーパミンシグナル伝達の増加を触媒することが示唆されたという。
研究チームは、将来の研究では、パーキンソン病のマウスモデルでこの関係が当てはまるかどうかを調べたいとしている。
出典は『神経科学雑誌』。 (論文要旨)
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