2022.5.17
, EurekAlert より:
動物実験から疫学研究まで、さまざまな研究を検討することで、栄養がより長く健康的に生きるための最良の機会を提供するかをより明確に把握できる、という南カリフォルニア大学からの研究報告。
研究チームは、食品組成やカロリー摂取から絶食期間の長さや頻度までを含むマルチピラー(複数柱)アプローチである「長寿ダイエット」について『細胞』誌のレビュー論文で記述している。
「私たちは、短命の種における栄養素、絶食、遺伝子、および寿命の間の関連を調査し、これらの関連を霊長類および百歳以上の人を含む臨床および疫学研究に結び付けました」と主任研究者のヴァルター・ロンゴ教授は述べている。「1世紀以上の研究に基づくマルチシステムおよびマルチピラーアプローチを採用することにより、栄養勧告と将来研究のための確固たる基盤を表す長寿ダイエットを定義し始めることができるのです。」
ロンゴ教授らは、栄養、病気、長寿に関する何百もの研究をレビューし、それらを栄養素と加齢に関する独自の研究と組み合わせた。分析には、総カロリー制限、高脂肪・低炭水化物のケトン食、菜食主義・厳密菜食主義食、および地中海型食などの一般的なダイエットが含まれた。
研究には、さまざまな形態の断食ダイエットのレビューも含まれた。疫学研究からの寿命に関するデータを調べることに加え、それらを寿命をコントロールするいくつかの遺伝的経路に影響を及ぼす食事因子と関連付けた。
その結果、研究チームは、最適な食事の特徴として、未精製の供給源からの中程度から高い炭水化物摂取、主に植物ベースの供給源からの低いが十分なたんぱく質、およびエネルギー需要の約30パーセントを提供するのに十分な植物ベースの脂肪が重要であることを発見したという。
理想的には、1日の食事はすべて11-12時間のウィンドウ内で行われ、毎日の絶食期間が設けられる。また、3-4か月ごとに5日周期の絶食または絶食を模倣した食事を繰り返すことで、インスリン抵抗性、血圧上昇その他のリスクを減らすことができるという。
ロンゴ教授は、現実の生活において長寿のためのダイエットがどのように見えるかを記述している。「多くの豆類、全粒穀物、野菜;いくつかの魚;赤肉または加工肉は無し;きわめて少しの白肉;少量の砂糖と精製穀物;良好なレベルのナッツ、オリーブ油、そしていくつかのダークチョコレート。」
出典は『細胞』。 (論文要旨)
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