2022.4.28
, EurekAlert より:
骨粗鬆症や骨折リスク軽減に高齢者に投与されるカルシウムサプリメントは、大動脈弁狭窄症の患者の死亡リスクの上昇に関連しているようだ、という米国クリーブランドクリニックなどからの研究報告。
研究チームは、2008年から2018年の間に軽度から中等度の大動脈弁狭窄症を発症した2,657人の患者(平均年齢74歳; 42%が女性)の心臓の健康状態を追跡した。平均追跡期間は5.5年以上だった。
参加者は、サプリメントを摂取していない人(1,292人; 49%)、ビタミンDのみを摂取した人(332人; 12%)、ビタミンD有りまたは無しのカルシウムを摂取した人(1,033人; 39%)に分けられた。
追跡期間中に540人(20.5%)が死亡した。150人が心血管疾患、155人がその他の死因、235人が原因不明だった。774人(29%)の人々が大動脈弁を交換した。
データ解析の結果、ビタミンDの補給は生存に影響しなかった。けれども、カルシウム(ビタミンD有りと無し)の補給は、サプリメントを摂取しない人と比べて、総死亡リスクが31%高く、心血管疾患の死亡リスクが2倍に、大動脈弁置換術のリスクが48%高くなることに関連した。
高齢の軽度から中度の大動脈弁狭窄症患者において、ビタミンD有りまたは無しのカルシウムの補給は、より低い生存率とより高い大動脈弁置換術に関連するようだ、と研究チームは結論付けた。
出典は『心臓』。 (論文要旨)
|
|