2022.4.14
, EurekAlert より:
心不全患者の栄養カウンセリングと1年間の塩分摂取量の厳密な制限により、生活の質が向上し病気の進行は遅くなったものの、主要な有害事象や入院は大幅には減らなかった、という研究報告。
研究チームは、6か国(カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、コロンビア、チリ)の26の医療センターで心不全の治療を受けた841人の患者を対象として1年間の介入試験を実施した。ランダムに2群に分け、対照群は通常ケアとし、介入群は地元で入手可能な食品を反映したメニューなど、食事パターンに合わせた栄養カウンセリングを受けた。研究チームは、研究全体を通して頻繁な3日間の食物質問票に基づいて、各参加者の1日の平均ナトリウム摂取量を計算した。
介入群では、参加者がナトリウム摂取量を1日あたり1,500mgに減らすのを助けることを目的とした。これは、小さじ1杯の食卓塩に相当する。研究前に、患者は毎日2,217mgのナトリウム(中央値)を摂取していた。1年後、通常ケア群は毎日2,072 mg(中央値)のナトリウムを摂取していたが、介入群は1,658 mg(中央値)だった。414 mgの減少である。
1年間の研究の終わりに、研究チームは、研究の主要エンドポイントである、全死因による死亡、心血管系入院、および心血管系救急科受診を比較した。これらのイベントの総数は、介入群で数値的に少なかったが、2群間のベースラインの人口統計学的および健康関連の違いのわずかな違いを調整した後でも、この違いは統計的に有意ではなかった。
二次分析により、介入群において、3つの異なる検証済みの「生活の質」評価ツールを使用して評価された「生活の質」の有意な改善が明らかになったという。
「3つのスコアはすべて、対照群と比較して介入群で有意に優れていました。この改善は、他の臨床試験、たとえば薬理学的介入の試験と比較して非常に顕著でした」と筆頭著者のジャスティン・エゼコウィッツ教授はコメントしている。
介入群はまた、対照群よりも、ニューヨーク心臓協会の心不全クラス(心不全の重症度の尺度)が優れていた。介入群では歩行時間が長くなる傾向があったが、患者が6分で歩くことができた距離に統計的に有意な差はみられなかった。
出典は『ランセット』。 (論文要旨)
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