2022.3.16
, EurekAlert より:
血中葉酸レベルが低い高齢者は、認知症の発症リスクや全死因による死亡リスクが高まる可能性がある、という米国マウントサイナイ医科大学などからの研究報告。
研究チームは、イスラエル在住で、葉酸濃度を測定した2013年までの少なくとも10年間認知症がないことが確認された27,188人(60-75歳)の前向きコホートのデータを解析した。3,418人(13%弱)が葉酸欠乏(4.4ng/ml未満)だった。2017年末まで追跡調査された。
解析の結果、血清葉酸欠乏の者は、葉酸欠乏でない者と比べて、認知症の発症リスクが有意に高く(HR=1.68)、全死因による死亡リスクも有意に高かった(HR=2.98)という。
本研究は、観察研究であり、そのため、原因関係を確立することはできない、と研究者らは認めている。
けれども、葉酸欠乏はホモシステインレベルに影響を及ぼし、したがって認知症の血管リスクに影響を及ぼし、および/またはニューロンのDNA修復を損ない、酸化的損傷に対して脆弱にし、脳細胞の老化と損傷を加速させる可能性がある、と研究者らは説明している。
研究チームは「葉酸の血清濃度が、老年期の認知症と死亡のリスクを修正するために使用されるバイオマーカーとして機能する可能性がある」と結論付けている。
出典は『根拠に基づく精神衛生』。 (論文要旨)
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