2022.3.9
, EurekAlert より:
百聞は一見に如かず。健康を視覚化できる医用画像技術は、非視覚的情報よりも、リスクの高い行動を思いとどまらせる可能性があるようだ、という英国ケンブリッジ大学からのメタ分析。
研究チームは、個人が画像診断を受け、自分の病気のリスクに関する視覚的な個人情報が表示されると、リスクの高い行動を減らす可能性が高いことを発見したという。
非感染性疾患は、毎年世界中で死亡の3分の2以上を占めると推定されており、喫煙、貧しい食生活、運動不足などの行動に関連している。行動の変化はリスクを減らすことができ、多くの介入はそのような変化を動機付けることを意図している。
今回研究チームは、9,000人を超える成人参加者を対象とした21件のランダム化比較試験のメタ分析を実施した。参加者は、健康情報やアドバイスに加えて、コンピューター断層撮影(CT)、超音波、X線撮影などの画像診断手順に従って、個人化されたリスク情報の視覚的な例を見せられるか、視覚的なフィードバックなしで健康情報やアドバイスを受け取った。試験は、喫煙、薬物使用、身体活動、食事療法、口腔衛生、日焼け止め、日焼けブースの使用、血糖値検査、皮膚の自己検査、フットケアなどの行動について報告されていた。
最も強力な証拠は、喫煙の減少、より健康的な食事、身体活動の増加、および口腔衛生行動の増加でみられたという。単独の研究では、視覚化されたフィードバックに続く皮膚の自己検査とフットケアの増加を報告したものもあった。それ以外の行動は視覚的介入によって改善されたが、結果は統計的に有意でなかったという。
著者らは、医用画像技術の発展が人々の変化を助け、病気のリスクを減らすことができる、と結論付けている。
「医用画像スキャンは、医療専門家によってこれまで以上に広く使用されています。この研究は、既存の研究をまとめることにより、スキャン結果を患者に見せて健康状態を強調することで、患者がより健康的な行動をとるように動機付けられる可能性があることを示唆しています」と筆頭著者のギャレス・ホランズ博士はコメントしている。
出典は『プロス医学』。 (論文要旨)
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