2022.3.2
, EurekAlert より:
カロリー制限は、代謝反応と免疫反応を改善し、人間の寿命と健康寿命の両方を延長するのに役立つようだ、という研究報告。エール大学の研究。
何十年にもわたる研究により、ハエ、線虫、マウスではカロリー摂取量の制限により、実験室条件下での寿命を延ばせることが示されている。しかし、そのようなカロリー制限が人に当てはまるかどうかは依然不明なままである。今回の研究は、人の適度なカロリー制限の健康上の利点を確認し、人間の健康を拡張するために利用できる重要なたんぱく質を同定したという。
研究チームは、米国ペニントン生医学研究センターのCALERIE2(エネルギー摂取量の削減による長期的影響の包括的評価)研究のデータを解析した。これは現在までで最長の人を対象としたカロリー制限試験である。
本研究において、2年間にわたってカロリー摂取量を約14%削減した参加者は、加齢プロセスを遅らせるT細胞をより多く生成したことが明らかになった。
T細胞の増加はエネルギーのために貯蔵脂肪酸を燃やす能力の改善とも関連している。脂肪の蓄積は、インスリン抵抗性、肥満、2型糖尿病、老化につながる可能性があるため、これは重要である。
カロリー制限は血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼをコードする遺伝子(Pla2g7)の発現レベルも下げ、それが炎症を抑え、代謝を改善することにつながっている可能性があるという。
「加齢に伴い、胸腺は収縮し、T細胞の産生が少なくなる。カロリー制限は、胸腺が収縮するのを防ぎ、多くのT細胞を生成するのに役立つ」と研究者はコメントしている。
出典は『サイエンス』。 (論文要旨)
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