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[高齢者]  フレイルを減らすと認知症リスクが下がる?
2022.1.4 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

高齢者のフレイルを減らすことは、認知症を予防するための効果的な戦略である可能性があるようだ、という英国エクセター大学などによる研究報告。

この研究では、認知症の遺伝的リスクが高い人々の間でも、フレイルが認知症の強力なリスク因子であり、健康的なライフスタイルによって変化する可能性があることがわかったという。

カナダのダルハウジー大学とノバスコシアヘルス、および英国のエクセター大学の国際チームは、英国バイオバンクの60歳以上の196,000人以上の成人のデータを使用した。参加者の遺伝的リスクを計算し、加齢に伴う症状、徴候、障害、および疾患の蓄積を反映する、以前に作成されたフレイルのスコアを使用した。これを、健康的な生活習慣行動に関するスコアと認知症発症データと併せて解析した。

「人生の中で有意義な行動を取ることで認知症のリスクを大幅に減らすことができるという証拠が増えています」と筆頭筆者でダルハウジー大学老年医学部のデビッド・ワード博士は言う。「我々の研究は、フレイルを改善することが、認知症の遺伝的素因に関係なく、いかに認知症を回避する可能性を劇的に改善するのに役立つかを理解するための重要な一歩です。これが重要なのは、フレイルの根本的な原因の中には予防可能なものがあると信じているからです。私たちの研究では、健康的なライフスタイルの行動に従事することによってそれが部分的に可能であるように見えました。」

英国バイオバンクの参加者のうち10年間で1,762名が認知症と診断された。認知症と診断された者は、診断されなかった者に比べて、診断前のフレイルのレベルが高かったという。

遺伝的リスク因子は、参加者の認知症のリスクを高めたが、最もフレイルレベルの高い者では、遺伝の重要性は次第に低下した。これらフレイルの参加者においては、遺伝に関係なく認知症のリスクが高かった。

認知症の遺伝的リスクが最も高い者では、最も健康な者のリスクが最低で、最もフレイルレベルの高い者のリスクが最高だった。けれども、高い遺伝的リスクと高いフレイルの組み合わせは特に有害であり、どちらのリスク因子もない参加者よりも、認知症のリスクが6倍高かった。

認知症のリスクは、認知症の多数の遺伝的決定要因を制御した後でも、フレイルのレベルが低い参加者と比較して、フレイルのレベルが高い参加者の間で2.5倍以上(268パーセント)高かったという。

本研究は、認知症リスクを下げるためのパスウェイを同定した。より健康的な生活習慣行動をもつ参加者は、認知症を発症するリスクが低く、それは部分的なフレイルのレベルが低いためであった。

「認知症のリスクは、脳にさまざまな異常を引き起こす遺伝的、神経病理学的、ライフスタイル、および一般的な健康要因を反映しています」と主任研究者でダルハウジー大学のケネス・ロックウッド教授は語っている。

「私たちの研究は、認知症のリスクに影響を与えるユニークで潜在的に修正可能なパスウェイを持っているように見えるフレイルの役割に関する重要な前進です。増え続ける認知症予備軍に対する潜在的な利益について緊急に調査する必要があるでしょう。」

出典は『神経学、神経外科学及び精神医学雑誌』。 (論文要旨)      
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