2021.11.24
, EurekAlert より:
筋肉は、食事制限条件下において保護組織であることを発見した、という米国メイン州のMDI生物学ラボラトリーからの線虫を用いた実験の報告。
栄養不良なしのカロリー制限は、最も強力なアンチエイジング介入のひとつであるという。栄養素の不足に直面した時、生物はたんぱく質の翻訳または生産を低下させることによって資源を節約する。これが細胞内で最もカロリーを消費するプロセスだからであるという。
たんぱく質の翻訳を減らすことによる細胞資源の保護は、食物が豊富になったときに繁殖できるように生物が生き残ることを可能にすることによって進化の利益をもたらす。しかし、それは同化機能の低下、または成長と生殖を犠牲にしてもたらされるものである。
線虫を用いた研究で、研究者は種々の組織でたんぱく質の翻訳を遺伝的に抑制した時の効果を同定しようとしたという。皮膚、神経、生殖組織は予想通りに反応し、生存率は向上して成長と生殖が減少した。ところが、筋肉では逆の効果が現れた。抑制される代わりに、成長と生殖が加速されたという。
研究者は、食物を採る生物の能力をサポートするために、栄養不足の条件下で筋肉が保護される可能性があるのではないか、と理論づけている。
出典は『加齢の最前線』。 (論文要旨)
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