2021.11.17
, EurekAlert より:
COVID-19パンデミックの最初のロックダウン期間中に運動量が多かった人は、運動しなかった人よりも不安やうつ病が少ないようだ、という米国カイザーパーマネンテからの研究報告。
屋外で過ごす時間が少なくなると、不安や抑うつのレベルが高まることも示されたという。
米国全土のカイザーパーマネンテがサービスを提供する6つの地域(ハワイ、コロラド、ジョージア、中部大西洋岸諸国、および南カリフォルニアと北カリフォルニア)から、20,000人以上が調査ベースの調査に参加した。
「本調査結果によると、パンデミックやその他の公衆衛生上の危機が発生している場合でも、人々は身体的および精神的健康を維持するために身体的に活動するように奨励されるべきである」と筆頭著者のデボラ・ローム・ヤング博士は語っている。「公園やその他の自然地域は、屋外での身体活動を促進するために、公衆衛生上の緊急事態の間も開いたままにしておく必要がある。」
2020年3月、COVID-19はパンデミックに発展した。公衆衛生当局は外出禁止令を出してその広がりを抑えようとした。これら一連の事象は、多くの人々のうつ病や不安の症状を増加させた。
研究チームは、身体活動と自然の中で過ごす時間がメンタルヘルスの改善に関連することが知られていることから、パンデミック中の屋外での運動と時間が人々のメンタルヘルスにどのように関連しているかを調査した。
研究チームは、カイザーパーマネンテリサーチバンクの25万人以上の参加者を対象に、2020年4月から7月の間に少なくとも4回の調査を完了した。COVID-19の症状を報告した人を除外して、20,012名の回答が分析された。
50歳以上の白人女性が回答者の高い割合を占めた。ほとんどの回答者は、調査期間中、自宅での待機命令を順守したと述べた。解析の結果、以下のようなことが明らかになったという。
●不安とうつ病の報告は時間とともに減少した ●不安とうつ病のスコアは、女性と若い人で高く、白人と比較してアジア人と黒人で低かった ●運動を報告しなかった参加者は、運動した人と比較して最も高いうつ病と不安を報告した ●屋外で過ごす時間が少なくなると、うつ病と不安のスコアが高くなった ●屋外での時間を増やした人も不安スコアが高まったが、調査ではその結果を説明できなかった
「本調査結果から、将来の緊急事態に際しては、公園や屋外エイリアを閉鎖する決定を、閉鎖が精神的健康に及ぼす悪影響と慎重に比較検討することが重要であることがわかった」とヤング博士はコメントしている。
出典は『予防医学』。 (論文要旨)
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