2021.11.12
, EurekAlert より:
緑茶のカテキンは、短期的に酸化ストレスを促進するが、それにより生物の防御能力が増加するため寿命の延長につながるようだ、という線虫を用いたスイス・チューリッヒ工科大学などからの研究報告。
この効果は、免疫系を介してではなく、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やカタラーゼなどの特定の酵素を発現する遺伝子の活性化によって現れる。これらの酵素は線虫のフリーラジカルを不活性化する、いわば内因性の抗酸化物質である。
研究チームは、2009年に、スポーツが健康を促進する理由は、スポーツが短期的に酸化ストレスを増加させ、それによって身体の防御機能が改善するためであることを示している。低カロリー食も同様の効果をもたらすことが動物実験で示唆されている。
「高用量のカテキンは細胞死を起こすまでミトコンドリアを阻害するので、緑茶抽出物や濃縮物は勧められない。紅茶は、発酵プロセスによってポリフェノールの大部分が破壊されカテキンレベルが緑茶よりはるかに少ないので、緑茶が好ましい」と主任研究者のミカエル・リストウ教授はコメントしている。
出典は『加齢』。 (論文要旨)
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